５ツ葉のおもちゃ箱 ７

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《Sside》


あいつの心が知りたい

今こそ、この力で


昨日、あいつは学校を休んだ

あのまま、どこかに行ってしまった


バイト先にも居なかった


家もわからない

聞いても教えてくれる奴は居ないだろう



明日は学校に来るか？

真面目なあいつの事だ

そうそう休まないだろう



期待して学校に向かうと、昨日と同じように、駐車場に人の影


雅紀か？と思ってたけど、シルエットが違う


小柄で痩せ型・・風間か？


そう思って近づくと、二宮くんだった





N「おはようございます」

S「何か、用か？」

N「お願いしたのに、聞いてくれてないみたいで」


‘もう近付くな’

そう言われたな


相変わらず、彼からは何の声も聞こえてこない


N「俺の心を覗こうと思っても無駄ですよ？生憎、そんな単純に出来てないので」


・・っ

俺の方が読まれてる

本当に心が読める力を持ってないのか？




N「貴方があの人の心を触れて、あの人に惹かれる気持ちはわかる。でも、これ以上傷付けないでやって下さい。あの人、断ったでしょ？」


全部知ってるって事か・・


S「俺は、あいつの本心が知りたい」


どうしても、嫌われてるとは思えない

あいつの態度が、俺を自惚れさせる


N「知った所であいつを傷付けるだけです。もう、勘弁してやってよ。あいつはもう充分過ぎるくらい傷付いてる」

S「どうしてそんなに俺を遠ざけようとする」

N「最初にあいつを傷付けたのが俺だから。そのせいであいつはもっと臆病になった」

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