Flowers ３【SA】

ー１２５ー ページ37

《Sside》


朝目が覚めると、この家に似つかわしくない、味噌汁の良い匂い


飲み過ぎた重たい頭のままリビングに行くと


‘おはよ、しょーちゃん’

幻かと思うようなキラキラした笑顔の雅紀がお出迎え


S「おはよ・・」

A「コーヒー飲む？」

S「え・・あ、うん」


イスに座ると、コーヒーが出てくる

いつあけたかわからないようなうちのインスタントコーヒーよりも香りが強い


S「・・美味しい」

A「簡易なドリップのだけどね」

S「いや・・美味しいよ。目が覚める」

A「よかった。もう少し待っててね。あ、朝ごはん・・食べる派？」

S「え？あ、うん。本当は食べたいけど、作るのが無理だからコンビニ派(笑)」

A「もう少しでできるから」


魚の焼ける良い匂いもしてきて、酒で沈んでた筈の胃が動き出す


白いご飯に味噌汁

鯵の開きに玉子焼と納豆に漬物


完全な朝の和定食


A「さ、食べよう」

S「これ・・初めから、朝も作ってくれる予定、だった・・？」


その質問に、雅紀の顔が一気に赤くなる

だって、鯵の開きとか納豆とか・・持ってきてくれてたって事だろ？


A「ご、ご飯作れないって言ってたから・・こういうご飯も、たまにはいいかなって///」


いやいや、質問の答えになってないし(笑)


S「・・嬉しいな。朝から温かい物食べるの久々だよ」


重い胃に味噌汁が沁みる


S「美味い・・幸せだなぁ」

A「ふふ///よかった」


‘毎日、君の味噌汁が飲みたい’

そんなベタなプロポーズをしそうになる(笑)

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