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ふわふわした気分。"魔女"は消えた。顔も声も思い出せないし、何ならここまでの記憶も曖昧だけれど、私の目の前で、"魔女"は暗闇に呑まれて消えた。殺せたわけじゃないけど、もう"魔女"は現れない確信がある。
これで、セレンは"魔女"から解放されて、それで、きっと、きっと……セレンは私に、私だけに、好きだと言ってくれるはず……。
と思った矢先、大型の車がこの館に突っ込んで来た。
どうしよう、とセレンに目を向ける。彼もどうしようかと考えているみたいだ。次にアスラ君に同じように目を向けると、「ボクに聞くな」みたな顔をされた。
じり、と迫る部隊員達。その中に、どこかで見た事のある顔を見つけた。
「あれ？ セレン、あの人、どっかで……」
私の指差す先にいる壮年の男性を見て、セレンは「あぁ」と頷いた。
「たぶん、ほら、センサーを設置していない件で、捜査令状を持ってこなかった人だよ」
うーん、思い出せない。けど、アスラ君は心当たりがあったようで、
「いたなぁ、そんな人」
なんて言っている。まだピンと来ずに首をひねっている私の隣で、セレンが
「そこの治安部隊の人、これ、預ってください」
と、私が指差した人に向かって黒い冊子を投げた。
「は？」
警戒と戸惑いの色を見せつつ、その男性は冊子を受け取る。それを見て、その人の隣にいた若い隊員が焦ったような態度を取った。
「先輩、それやべーやつじゃないですか！？ 魔法道具とか！」
「いや、そういうやつじゃない……これは……」
その人は、ちらり、とセレンの方を見て、
「何故、俺に？」
と問う。
「令状もないのに、センサーの件について捜査しに来たくらいには、真面目な方ではないかと思ったからです。誠実な人にそれは扱ってほしいので。中身は……読めば分かりますよ」
そう応えて微笑むセレンに、アスラ君が怪訝そうな表情で、小声で尋ねた。
「あれって、カレアの日記帳でしょ？ いいの？」
同じくセレンも小声で返す。
「良いんだよ。カレアの復讐はほぼ達成されたし、後は後始末だけだったから。具体的には、あの冊子の公開。治安組織に発表してもらおうかなって。本当は僕の死後、勝手に発見してもらおうと思ったんだけどね」
「ふぅん、世間に魔法が復讐の産物だって気付かせるんだ？」
「そんな感じ」
二人の会話はよく分からない。部隊員達は、会話が聞こえなかったみたいで、厳しい顔をして、
「何をこそこそ話している！」
と怒鳴った。
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アスラ君、大好きでした！ (2019年9月26日 7時) (
レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです！ (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやぁ、めでたしめでたしですね！！アスラ君最後まで大好きでした！お疲れ様でした！！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*ﾟ▽ﾟ*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時：2016年4月26日 0時
