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マイカがアイとして意識を取り戻すのは、正直予想外だった。
この前、彼女の睡眠の数と長さが前より少し増えたように感じて、調べたところ、彼女の精神と記憶は強く結びついているらしい事が分かった。精神が壊れている時は記憶も壊れていて、正常な時は記憶も正常。精神の具合が記憶の保持量を左右している。
そして、その精神は、彼女が深く眠る度に再構成されるようだった。ジグソーパズルを解いてはバラバラにするように。しかし、いつもピースをめちゃくちゃに嵌めてしまって、綺麗な絵には見えない……要するに"壊れた"状態。そして、おそらく今の状態が、綺麗な絵、つまり元々のアイに近いのだろう。
思えば、睡眠の数と時間の増加は、兆候だった。マイカがアイに戻る兆候。
本来のアイが目の前に現れたのだから、ジグソーパズルで言えば完成図を手に入れたようなもので、それを参考にすれば、完成に近づくのは当然だ。
でも、ここまで「アイ」に戻るとは思わなかった。
僕はもう死んでも良い。自然の摂理に逆らって、長生きしたのは、父に不老不死の実験を続けるように指示されたからだと思っていたが、今となってみれば、そうではなく、アイに……僕を知る前の彼女に、未来で会いたかったからだ。
治安部隊が来ると分かった時には、アイを過去に送る目途がついていたので、もう生き続ける意味はなくなり、治安部隊を相手にして、カレアの後始末のついでに死のうと思った。
しかし、今僕が死ねば、マイカだった時ならともかく、この状態のアイは、後追いをするだろう。だから、アイに「どうしたい？」と尋ねたが……この答えだ。
「僕は死のうと思っていたのだけれど」
「えっ！」
驚いたような表情をしたアイ。しかし、うん、と一つ頷くと、笑って、
「じゃあ、」
と、言いかけたところで、扉の方でブレーキ音と破壊音がした。アイの肩がびくっと震えて、音のした方を見た。
元々壊れていた扉を、それより大きい魔導車が突き破って館に入ってきた。床にブレーキ痕を残して止まる。予想外のものに僕らも部隊員達も唖然として目を向けた。
車から迅速に十数人が降りてくる。その制服から、治安部隊だと分かる。応援が駆けつけたのだろうか。その1人が叫ぶ。
「治安部隊だ！ 殺人と基準値以上の魔法使用の容疑で連行する！ 大人しくしろ！」
「いや、大人しくしてるでしょ」
と隣でアスラが呟く。アイは不安そうな目を僕に向けていた。
さて、どうしようか。
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アスラ君、大好きでした！ (2019年9月26日 7時) (
レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです！ (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやぁ、めでたしめでたしですね！！アスラ君最後まで大好きでした！お疲れ様でした！！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*ﾟ▽ﾟ*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時：2016年4月26日 0時
