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玄関の方に戻ると、治安部隊員達が戸惑ったような表情で、会話をしていた。
「何が起きたんだ？」
「何か、凄まじい事が起きた気がするんだが……」
どうやら、記憶が混乱しているらしい。
「お目覚めですね、皆さん」
そんな彼らに、まるで知人のように、穏やかに声をかけるセレン。
隊員達は、一瞬、何か分からないような顔で互いに顔を見合わせたが、次には、ハッと気付いて、警戒態勢を取った。
「お前、何をした！」
「それを説明するのには、かなり時間がかかりますよ。あと、直接的に何かをやったのは、僕じゃありません」
「いや、ほとんどおにーさんがやったようなもんでしょ」
しれっとそんな事を言うセレンに呆れ混じりに返すボク。
「……お前ら、何故こんな異常事態に平然としている……頭がおかしいんじゃないのか」
何が起きたか分からなくとも、決定的な何かが起きてしまった異常事態である事には、皆、気付いているらしい。そんな時に普通にしていられているボクらが狂っているように見えるのか。まぁ、ボクの場合は、セレンやアイに感化されているのかもしれないんだけれど。
「と、とにかく、捕らえるぞ。こんな奴ら野放しにしておけない！」
そこは治安部隊だ、ボクらを犯罪者、もしくは異常者として捕まえる事にしたらしい。隊長っぽい人の号令で部隊員達はさっと武器を構えた。
「抵抗しないの？」
動かないセレンに訊く。
「そうだよ」
セレンはにこやかに答える。
「最初に言ったからね、逃げないって」
実に爽やかな笑みを浮かべて、セレンは言う。
それにしても、セレンは、どこまで想定していたんだろう。いつから、こうする、って決めていたんだろう。普通、あのタイミングでやろうと思わないよなぁ……って、セレンは"普通"じゃなかったね。
「そのままでいろよ……」
一方の部隊員達は、武器を向けながら、ゆっくりとボクらを囲んでいた。
しかし、こいつらは忘れているのかな？ もう1人の『頭がおかしい奴』をさ。
「何を、しているの？」
緊迫している彼らの後ろから、呆けたような、間抜けな声が聞こえてきた。彼らの半数以上が武器をその声の主に向けた。その顔には、恐れが浮かんでいる。
"彼女"は、だるそうに上体を起こし、寝惚け眼でボクらを見て、にへら、と笑った。
「あー、セレンとアスラだー、おはよー」
"彼女"は間違いなく、
「おはよう、アイ」
「やっと起きたんだ、おねーさん」
・・・
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アスラ君、大好きでした！ (2019年9月26日 7時) (
レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです！ (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやぁ、めでたしめでたしですね！！アスラ君最後まで大好きでした！お疲れ様でした！！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*ﾟ▽ﾟ*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時：2016年4月26日 0時
