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「子孫である僕達はカレアの血に影響されているに過ぎないよ。父もその影響を強く受けただけなんだ……だから父さんは言ってたよ。『本物の天才は後にも先にもカレアしかいない。マギアノなんてものはただその"おこぼれ"を血を通して得ているに過ぎない。あの冊子(カレアの日記)があって初めて、本物には及ばないものの天才と呼べる代物になる』って」
「……で、それが何の関係があるわけ？ おにーさんの恋愛感情と」
ん、ちょっとうんざりした顔だね。語り過ぎたせいかな……
「カレアが……僕は羨ましかったんだ」
「は？」
今度は不可解そうな顔をされた。
「おにーさん、された事ない質問だからって、動揺し過ぎでしょ。さっきから脈絡ないよ」
「そうでもないよ。この羨望は……マイカに対して抱いたこの感情と無関係ではないから、ね」
「ふーん、何で？」
「僕は幼い頃、自分に感情の起伏がほぼないと自覚していたんだ。何事も義務的にやっていた」
薄っぺらかった(今もかもしれない)あの頃を思い出す。目の前で自 殺志願者がその願いを果たした事がある。僕はその時、その行為を止めなかった後悔も、逆にその姿を哀れと感じる事もなかった。ほとんど何も思わなかった。ただ、事務的に「これを片付けないと」と考えた事を覚えている。
「そんな時、あの日記を読んだ。あれを通して伝わってきた彼女の鮮烈な感情が、僕には衝撃的だったんだ。感情の薄い僕でも、その凄絶さは読み取れた」
「で？」
ジト目のアスラ。「やっぱり関係ないよね」と言いたげな表情だ。
「マイカはカレアに似ていたんだ。君も知っている通り、彼女は感情のままに動くからね。それがこの想いの出発点」
……の1つ。もう1つは……言う気にはなれない。何故か、僕の胸の奥にしまっておきたくなった。
「ふーん、そう。……ねぇ、さっき言ってたけど、カレアの日記があるんだよね？ それ読める？ おにーさんの話聞いてたら読みたくなった」
アスラのその言葉に、言い淀む。読ませて、良いのだろうか。……いや、でも、アスラなら大丈夫かもしれない。この世界で動いていられる、人外で、常識外なのだから。
「……分かった。ついてきて」
「ん」
頷いて、アスラは立ち上がった。僕もソファから立ち上がり、マイカに起きる兆しがない事を確認した後、アスラをつれて自室へ向かった。
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです！アスラ君、大好きでした！ (2019年9月26日 7時) (
レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです！ (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやぁ、めでたしめでたしですね！！アスラ君最後まで大好きでした！お疲れ様でした！！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*ﾟ▽ﾟ*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時：2016年4月26日 0時
