高嶺の花なんかじゃない２【BTS】 (ページ33)

今日:25 hit、昨日:6 hit、合計:59,373 hit

. ページ33

テヒョンは本当に不思議だった。
「それ以上のことしてもいいの？」なんて聞くから身構えてたけど、キスすらしてこない。
ただいつもテレビを見るときも、ご飯を食べるときも、何をするにも横にいた。
テレビを見れば手を繋ぎ、ご飯を食べれば「一口ちょうだい」「これ美味しいよ」ってシェアしてくれる。
「抱き枕がないと寝れないんだ」って言って必ず夜は私のベッドに忍び込んできた。

だからと言ってそれ以上のスキンシップを取ってくることもなく、いい意味でドキドキしない、人恋しさみたいな欲求を精一杯満たされている、そんな感覚だった。

「あみちゃん、こっち向いて」

最近はちゃんづけで呼ばなくなったテヒョンが珍しく私をちゃんづけで呼ぶ。
ベッドの上でテヒョンに背を向け、バックハグの状態でくつろいでいたらそんなことを言うから、寝返りを打ってテヒョンへ体を向ける。

「ねーねー、こんなに毎日くっついてるのにあみは何も思ってくれないの？」

どことなく淋しそうな、悲しそうなそんな顔をしてるから困ってしまう。

『え？いつも幸せだなって思ってるよ？』

「違うよ、僕がするようなことを僕にしたくならないの？」

確かに、言われてみれば、スキンシップはいつもテヒョンからだった。
今までのオッパ達も年上だったからみんなリードしてくれたし、考えてみたら私から何かしたことって本当に少ないかもしれない。

もしかして寂しかったのかな？なんて思ったら、唇を突き出して拗ねるテヒョンが可愛くて、愛おしい気持ちが込み上げてきた。

『寂しかったの？』

テヒョンの顔を両手で包みながらそう声をかけると、唇は突き出したまま頷くテヒョン。

『もっと早く言ってくれたらよかったのに』

そう言いながらテヒョンを抱きしめ頭を撫でると、私の首元に顔を埋めて「あみからしてくれるの待ってたんだよ」と言う。

そんなテヒョンが可愛くて、私の方からテヒョンにキスをした。