消えたキセキはバスケやめてバレーやってるんだってさ (ページ10)

今日:42 hit、昨日:11 hit、合計:76,608 hit

8話ページ10

そうだな、どこから話そうか。
うん、決めた。僕がバスケを楽しめなくなったとこから話すね。

僕たちも最初はバスケが凄く楽しくて、練習が大変だったけどそれでもみんなとやるバスケが大好きで、辛くてもやりたくて仕方なかった。バスケがほんとに好きで帝光にみんな集まったんだから。まあ、涼太はそこに関しては例外だけどね、、、

でも監督が倒れて、虹村先輩が居なくなって、大輝が本気を出す意味を無くして、征十郎が"俺"を封じて、敦も物事に、バスケにさえもやる気を無くして真太郎や涼太、僕も、気づいたら他人を嘲笑うかのようなそんなバスケに何も思わなくなって、勝ちさえすればいいんだ。弱いやつに興味はない。どうせ僕らには誰も勝てない。そう言って見下すことが可笑しいと思わなくなった。テツヤとさつきはこの頃から悲しい顔をするようになった。けど気づかなかった。いや気付かないふりをしてたのかな。

きっと僕たちは狂ってたんだろうね。

けどそれに誰も何も言わなかった。大人たちだって黙ってた。結果を出す僕たちを使って学校の名を上げるのに必死になってた。
そんな環境で過ごす毎日で僕はいつの間にかバスケを楽しまなくなっていた。

それで迎えた全中決勝。
相手はテツヤのお友達だったみたいだね。僕たちはこの日もノルマを出していてそれはゾロ目にすること。もちろんゲーム感覚で試合をしたよ。ちょうどテツヤはいなくて、戻った頃には試合は終了。111対11だったかな。僕たちはノルマ達成ー、とか言ってハイタッチでもしてた気がする。
戻ってきたテツヤは相手の人よりも酷く傷ついた顔をしてたな。

この時の僕には分からなかったけどね。

そのあとはもういつも通りミーティングして引退して終わったよ。テツヤは居なかった。

僕はバスケはもういいかなあ、と思ってたから適当に近くの学校にでも通おうと思ってたんだけど青峰がどうしてもお前だけはバスケ続けててくれ。続けてくれるだけでいいからと珍しく僕に懇願するもんだから東北あたりで静かにバスケを続けるかーとか適当に考えてた。

さつきがみんなのことを苗字呼びしてたからなんとなく僕もこの時から苗字呼びに変えたんだ。特に意味は無いよ。

ちょうどこの2か月後くらいかな、僕が及川さんと岩泉さん、基い青葉城西高校に出逢ったのは。