消えたキセキはバスケやめてバレーやってるんだってさ (ページ21)

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19話ページ21

今頃岩泉さんにしばかれてるであろう及川さんを置き一足先に体育館に戻った僕に入畑監督からこちらに来るようにと指示を出された。

『どうしましたか？』

監督「さっき試合の途中でみんなには言ったんだがな？茉白に伝えてなかったから伝えとこうと思って。」

あらかた先程烏野さんがこちらにこれが俺らの武器だ！というふうに見せつけてくれたあの速攻についての事だろう。

監督「まあ茉白なら気づいてると思うけど一応、な。あの変な速攻はあのちいさな５番の彼と4番のセッターくんにしかできない荒業だね、、５番君は恐らく4番君のトスを信じきっている、そしてそれは目をつぶってることから分かることだね。いまは来るとわかっていれば落ち着いて対処できるはず。けれど」

『けれどあの５番の彼が自分の役割をわかった上で自分の意思で速攻を打ち始めたら』

監督「そういうことだ、、茉白は今あの速攻をどうやってやろうて考えてると思うがなるべくあの技はみせないで欲しい。すまない、最初茉白に言ったことと反対にもなってしまう。もちろん茉白と及川なら可能であろう。だけれどもそのプレーを見てどちらか又は周りの誰かに気づかれるとこちらの分が悪い」

なるほど、、駆け馬に鞭にならぬようにと言うことね。

『わかりました。では別の方法で考えますね。仮に予選に僕が出るとしてもベンチからでお願いします。』

いまはそれでどうにかなるかもしれない。けれどいつかは彼らも気づく、、気づいてからか笑
これはきっと荒れるよ。それがいつになるかは分からないけど、

それでも僕らが勝つけどね。
及川さんと岩泉さん花巻さんや松川さん温田さんだって沢内さんだってもそう。さいごなんだ、同じ場所に立てるのは。

僕がどうしようもなく憧れてしまった人達とのラストゲームになるんだ。
このインハイを逃しても春高がある？そんな生ぬるいことはいってられない。
全部勝つんだ、全部上に行く。

僕はでれなくてもいい。自分が連れてくなんて烏滸がましいことは言わないよ。
一瞬でも1秒でもあの人たちと長くコートに立ちたい、ただそれだけだ。

僕の決意？が改めて強くなったところで及川さんを引き摺り戻ってくる岩泉さんが見えたのでそろそろ解散かな、なんて独り言を呟きながら皆の元に駆け寄った。