消えたキセキはバスケやめてバレーやってるんだってさ (ページ14)

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12話ページ14

そのまっつんと呼ばれた方はどうやら知っているようだった。

花巻「あー！バスケの？！」

松川「そうそう、キセキの世代て呼ばれてる人達の一人だよ」

及川「ちょっとー！及川さん話してたんだけどっ？！」

岩泉「いや、そんなことよりもだろ。茉白くんてすごい子だべ、、なんでバレーの試合会場にいんだ？？」

及川さんはよくわかんないけど他の方たちはどうやら僕を知っているようで、少しびっくりした。

『僕のことご存じですか、、。』

花巻「ご存じもなにも、めちゃくちゃ有名人だぜ？！バスケ知らねぇ俺らでも聞いたことあるし、知ってるし！」

なんだか、少し複雑だった。憧れた人達に自分のことを知ってもらえてるのは嬉しい。だけれども自分の、自分たちのことを知ってるということはプレーや、学校としてのスタイルも恐らく知られているであろうから。勝つことが全てでチームプレーを捨てた自分をチームスポーツを具現化したかのようなチームの人達に見られたくない気持ちもあった。きっと分かり合えないから。

松川「俺、ぶっちゃけ帝光中のやり方は好きじゃねぇけど君らひとりひとりのプレーはすごく好きだよ。」

花巻「わかる！超すげぇ。だけどその分勿体ねぇよなー！」

もったいない、、？

岩泉「だな。それだけの実力を持ってながらして楽しそうじゃねぇんだよな。楽しめるだけのもん持ってるはずなのによ。」

ああ、そういうことか。

『そうですね、、。けどその実力ていうのがガキの僕らには少し、大きすぎました笑』

及川「、、、。まあ、君たちは天才だけど天才じゃないってことだね。」

？？？この人は何を言っているのだ。

及川「だってさ、天才天才って言われながら勝つことが当たり前でプレーしてたんでしょ？けどそれは全く練習してなかった訳では無いだろうし、他の人よりも優れている分、他の人よりも何倍も努力して掴み取った実力だろうし、、。いくら勝つのが当たり前って言っても負ける時は負けるんだよ。でも負けなかったってことはそういうことでしょ？」

及川「7人が誰ひとりとして、怠けなかった。全員バスケが好きなんでしょ？だからキセキの世代って言われるまでに成長したんじゃないかな、そりゃ元のポテンシャルも多少はあると思うけど、君たちだってちゃんと努力してるんだろうから誇りに思ってもいいんじゃないかな？？」

初めてだった。僕らをただの天才が集まった集団としてひとつにひっくるめないでこっちを見てくれる人は。