消えたキセキはバスケやめてバレーやってるんだってさ (ページ12)

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10話ページ12

そう、僕たちが忘れた。いや捨てたものだった。

僕たちはひとりひとりが強すぎたんだ。みんながひとつの場所、帝光中に集まっては行けなかった。
チームスポーツとは本来助け合うことで勝ちに繋がる。けど僕たちはひとりで勝つ力を持ってしまっていた。だから狂ってしまった。
他人を踏みつけ嘲笑う、そんなバスケを当たり前にしてしまった。及川さんのプレーを見て僕は自分の過ちに気づいたよ。

それと同時に及川さんに憧れた。そんな及川さんのトスを受け相手コートにボールを叩きつける岩泉さんに憧れた。

かつてバスケを楽しんでた頃の僕らもああだった。赤司と黒子が的確な位置、打ちやすい位置でパスをくれて、それを青峰や黄瀬、僕や緑間、紫原、みんなで繋いで誰かがシュートすればみんなで喜んで。そんな当たり前のチームスポーツをしてた僕らが酷く懐かしく思えた。

気づいたらさ、僕は泣いてたんだよね。

それでも目を離すことが出来なくて夢中になってバレーを観てた。試合が終わってさ、しばらく僕はその場に立ちつくしてた。
なんで僕はバスケをしてたのだろう、なんでひとりで点をとる事にこだわり始めたのだろう、後悔をあげればキリがなくて、でもなんとなく体育館から出たくなくてその場にいた。

多分30分くらいは居たかな。僕は体育館を出てぼーっと歩いてた。けどさ、僕はいてもたってもいられなくて黒子に電話をかけたの。

僕はまず謝った。自分の過ちとある高校のバレーをみてそれに気づいたこと、そして黒子や周りの人を踏みつけて傷つけたこと、それら全てを謝った。もちろんそれでやったことが無くなるわけじゃないのだけれど、、

黒子は泣いてた。でも笑ってた、僕に感謝を述べた。

黒子は「僕はみんなとまた笑顔で楽しくバスケがしたいです。みんなをあの頃のみんなに戻したいんです、いや戻します。」そういった。

黒子は強い、きっと黒子なら大丈夫だ。そう思った。

黒子「Aくんはバスケ続けるんですか？それともバレーをしてみたいんですか？」

その黒子の言葉に僕は直ぐに返せなかった。

黒子「Aくんがやりたいことをやればいいと思います。」

そう言われ僕はバレーしたい。ホントのチームスポーツをまたやりたい。そう答えた。

黒子は笑って、「じゃあ僕がみんなと先に楽しくバスケやっとくんで気が向いたらまた僕たちとバスケしましょう。」

そういった。それで僕はバスケの推薦を全部蹴る決断をしたの