好きすぎてごめんなさい (ページ41)

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職員室からの帰り道、渡り廊下を歩いていると、グラウンドに、制服の上着だけ脱いでサッカーをしている先輩を見つけた。

白いワイシャツを腕捲りして、時折汗を拭って、一人でゴール練習をしている。

胸がキュッ……となって、好きだと再確認する瞬間。

いつまでもこうしていたい。

サッカーをする先輩を、こうして見守っていられる幸せに、ずっと浸っていたいと思った。

『あの二人は退学になったから。
御両親のご意向で警察には引き渡さないが、それでいいかな？』

担任の所へ行ったら、校長室に連れていかれ、その後の始末を相談された。

同意すると、校長先生が内心ホッとしたような顔になる。

『それから、チョン・テグン君も君を助ける為に暴行はしたが、正当防衛に当たると見なされる』

ホッとして、ほんの少しだけ罪悪感が薄れていく。

『それから、これも御両親のご意向だが、彼の希望の大学へ推薦状を用意した。
この事はチョン・テグン君にも話したが、必要無いと断られたよ』

ぼんやりと聞きながら、校長先生に意見を求められて、

『……先輩なら……ご自分の力で道を切り開けると思うので……。私は先輩が望むようにして頂けることをお願いします』

そう伝えると、校長先生も担任の先生も納得してくれて、部屋を出てきた。

季節が暑くなってきたから、グラウンドに出ているのなんて先輩だけだ。

そんな彼がどうしようもないくらい好き。

四回も、気持ちが抑えられなくて告白してきたけど、今が一番好きだと断言出来る。

だからもう、このまま見守るだけ。
彼が幸せならそれでいい。
先輩の望むように生きてほしい。

大袈裟かもしれないけれど、本気でそう思った。

胸に渦巻く先輩への罪悪感と共に、この気持ちも心の奥に閉じ込めよう。

滲んでくる視界を何度も瞬きをして、昼休みが終わるまでそうして遠くから先輩を見守り続けた。