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キーンコーンカーン
始業準備の鐘が鳴る。
「あ！先輩すみません！引き止めちゃって。
急がなくちゃ！」
「うん。………一人で行ける？」
「え？」
急がなきゃいけないのに、ちっとも慌てる様子がない先輩に、顔を覗き込むように聞かれて驚いた。
「はい」
嬉しくて、強がりなんかじゃなく、元気に返事をすると、また笑って頭を撫でてくれた。
「よし。じゃあね」
「はい。ありがとうございました」
のんびり立ち去る先輩に最後にもう一度お礼を言うと、右手だけ上げて答えてくれて、そんな仕草にまた、ときめきと頑張れる力を貰って、私も教室へ急いだ。
「「「Aー！！！」」」
久し振りの教室では親友達が待っていてくれて、私も嬉しくてまた少しだけ泣いた。
授業が始まるからしゃべる暇も無かったけど、皆で何も言えずに抱き合って、それだけで胸が暖かくなった。
昼休み、お弁当を食べているとシガからカトクが届いた。
開いてみると、私の作ったお弁当を泣きながら食べている写真で、
『うまかったぞ！！』
とメッセージも続けて入ってくる。
思わず笑って三人に見せると、
ｼﾞﾖﾝ「Aの弟マジ超いいやつだよね〜」
ﾅﾅ「つーかお兄ちゃんも優しいし、最高じゃん？いいなぁ〜」
ﾊﾉﾝ「ホント。彼氏みたいなブラザーズだし、先輩はナイトだし！」
と、家族の流れからまた先輩の話になってしまった。
担任の先生から親友の彼女達には事情が話されていて、彼女達の中ではテグン先輩はもう私の騎士という立場にあるらしい。
シガに引き続き、先輩には失礼極まりない事を言う子達に、私は恥ずかしいのと申し訳ないので、もう何も言えない。
「あ、私先生の所に行かないと」
逃げるようにお弁当を片付けて席を立つと、途端に心配そうにみんなも席を立つ。
ﾅﾅ「ついて行こうか？」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
私は本当に恵まれていると実感しながら、優しい親友達に見送られて一人教室を出た。
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作者名：サラン | 作成日時：2016年2月28日 14時
