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母『あの子やっぱかっこよくなったね』
「うん」
母『昔からスラッとしてたけど、足あんなに長かったっけ？』
「うん、凄い長い」
母『すっかり大人の男じゃん』
「うん」
母『でも相変わらず？』
「うん？うん」
こんな会話を、お母さんと出来ると思ってなかったからなんか変な感じ。
心此処に在らずで返事してるけど、胸の中では嬉しくてソワソワして、ケータイ片手に部屋をウロウロ歩き回る。
でも、
母『私が嫌がると思った？』
その問い掛けにゆっくりと立ち止まった。
「…うん」
母『あんた、いつもそうだった』
「え？」
母『私とか周りの大人の顔色伺って、私の前でなんてあんまり泣いた事ないよね』
「……」
母『きっと私がそうさせてたんだろうね』
「そんな事ない」
母『ほらまた。いつもそう』
「……」
母『いつも思ってた。テグナと笑ってた頃の娘に戻してあげたいって』
「っ…」
いつの間にか噛み締めていた唇が震えて、情けない声が洩れないように手で押さえる。
そっと吐き出す息が揺れた。
一瞬、私の顔を覗き込んで本当に楽しそうに笑うお兄ちゃんの顔が浮かんで、あの時の幸せが頭を過る。
ぎゅっと強く閉じた瞼の奥からジンジワ熱が沸き上がってくるのを感じて、
だめだ、泣くな私っ！
必死に堪えようとしてるのに上手くいかなくて…。
母『あのね、確かに大変だった時期もあったよ。あんた達に辛い思いまでさせちゃったし。
でも韓国に嫁に行ったことを後悔なんてしてない。大事な娘を授かれたし、その娘を宝物みたいに大事にしてくれる子との思い出があるから。
毎日楽しかったよ。あんた達見てるだけで幸せな気持ちになれた』
「っ…」
へなへなと座り込んで、そこら辺にあったタオルを顔に押し付けた。
母『A、お母さんだってね、あんたのお父さんとずっと離れない覚悟で向こうに行ったんだよ？』
お母さんの覚悟……。
初めてそれを聞いて、自分が情けなくなった。
日本に戻ってからのお母さんしか殆ど記憶に無かったから、そんな覚悟を背負って韓国人のお父さんと結婚しただなんて想像したことも無かった。
侮蔑してた訳じゃない。
反面教師は育った環境で培った本能。
でも今なら分かる。
これが正しいと自分に嘘をついて毎日後悔してる私なんかより、愛を信じて見知らぬ国に飛び込んで行ったお母さんの方が、何百倍も何千倍も格好いい。
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けぃたん(プロフ) - 続き読みたいです (2020年12月16日 8時) (
レス) id: f3a839ab97 (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - お忙しいことでしょうが更新を楽しみにしております(^^) (2018年10月30日 17時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - みんははさん» さらんさんがんばります(*´▽｀*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - 更新ありがとうございます。主人公ちゃんついに決心しましたね(^^)主人公ちゃんもレオくんもサランさんも←がんばって！ (2018年9月13日 23時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、まぁまぁ落ち着いて(ﾉ^∇^)ﾉ取り敢えずLEOさんの体でも眺めてもう少しお待ちを 笑 (2018年9月7日 0時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラン | 作成日時：2018年6月6日 22時
