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「でもっ」
LE「でもはいらない」
「だって……」
LE「だっても。Aの″でも″と″だって″は聞かない事にした」
怒ってるのか、呆れてるのか分からない表情で彼は言う。
「そんな…………え?」
指に何か入ってくる感覚に、
掴まれたままの手に視線を落とすと、自分の涙がポタポタと落ちていった先に見慣れた指輪を嵌めている手があって、
LE「少しくらい離れてても大丈夫だから俺」
「おに……」
LE「距離は離れても、もう俺達は二人で一つだから」
「っ……」
傍若無人な物言いも、何度も私の頬の涙を拭う仕草とその眼差しで、愛されてる実感に変わる。
左手の薬指に綺麗に嵌まったシルバーの少しゴツめの指輪。
お兄ちゃんがいつも小指にしてたやつ。
LE「約束、覚えてる?」
そう聞かれる気がしていたから、迷わず大きく頷いた。
LE「Aは俺のお嫁さんになるんだろ?」
「ぅん」
LE「じゃあもう一度約束して。俺ももうこの瞬間を二度と忘れたりしないって誓うから」
何でこの人はいつもこうなんだろう?
「なんで?なんでそんなに…」
愛してくれるの?
こんな自分勝手な私なんかを。
LE「俺だって分からない。こんな、俺を捨てていくような可愛くないやつ。
昔は天使みたいで何処に行くにも俺の後を一生懸命追いかけてきて、本当に可愛かったのに」
酷い言われようだけどぐうの音も出ない。
LE「でももう、Aが居ない人生なんて考えられないし、考えたくもない。これだけは確かだから」
ハッとして見上げた顔は、
『しょうがないな』って、いつも私の我が儘を叶えてくれる時の顔をしたお兄ちゃんで、
LE「…泣くな」
私の頬をなぞって苦笑して、
ゆっくりと近付いてきた首に咄嗟にしがみついてキスをした。
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けぃたん(プロフ) - 続き読みたいです (2020年12月16日 8時) (レス) id: f3a839ab97 (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - お忙しいことでしょうが更新を楽しみにしております(^^) (2018年10月30日 17時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - みんははさん» さらんさんがんばります(*´▽`*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - 更新ありがとうございます。主人公ちゃんついに決心しましたね(^^)主人公ちゃんもレオくんもサランさんも←がんばって! (2018年9月13日 23時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、まぁまぁ落ち着いて(ノ^∇^)ノ取り敢えずLEOさんの体でも眺めてもう少しお待ちを 笑 (2018年9月7日 0時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラン | 作成日時:2018年6月6日 22時