不安 ページ44
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……どこ行ったんだろ?
廊下の角を曲がると誰も居なくて、来た道を戻ろうとしたら、
「わっ!」
急に伸びてきた手に腕を捕まれて、知らない部屋に引きずり込まれた。
バタン!ガチャ!
おまけに得意の鍵まで掛けられた音。
「お兄ちゃん?」
韓国に来て半年。
こんな風に誘拐まがいの事をされるのにも耐性が着いた。
ぎゅーーっと、苦しい位ホールドされて、でももう誰か分かってるからその背中に手を回す。
「ごめんね?」
LE「…………」
無言の彼の大きな広い背中を撫でる。
こんなに大きいのに、ホントに子供みたい。
LE「……不安なのは、俺だけ?」
「……え?」
耳のすぐ後ろから振動と共に聞こえた声は、掠れて弱々しくて、
LE「寂しいのは、俺だけ?」
今度は確認するように、ハッキリとそう言った。
「……ごめんね?」
LE「俺は只、一緒にいたい……どんなに短い距離でも」
「うん……」
LE「不安なんだよ。此処はAの帰りたい国だから……」
「そんな……」
そんな事思ってたの?
私が帰りたい国って……
そんなつもり無かったんだけど……。
だからあんな不安そうな顔してたの?
「違うの。別にこの国に帰りたい訳じゃないの」
LE「…じゃあ何?」
「私は、自分に与えられた使命を全うしたい」
LE「…………」
「これが、このツアーが私の最後の仕事なの。VIXXの皆とする最後の」
LE「知ってる」
「この日本での活動で、私がこの半年間、じゃなくて今まで積み重ねてきた努力の成果が出るの。
私はお兄ちゃんの妹でもあるけど、今はVIXX全員の講師で、全員との時間を一瞬一瞬大切にしたい。……分かってくれる?」
LE「…………」
無言の後、ゆっくりと腕が緩んで少しだけ二人の間に隙間が出来る。
LE「……分かったけど、俺の気持ちも分かって。それに、″妹″じゃない」
そう言って視線が交わり、それが私の口元をジッと見ては、頬を優しい手付きで撫でられる。
LE「″恋人″だろ?Aは俺の恋人。
だから他の誰にも抱かれないで……あんな風に」
言いながら、唇が落ちてくる。
啄む様なキスを3回。
それから、
「ん……」
息が苦しくなるキスになる。
LE「…………妹には、こんな事しない」
最後にそう言って、照れたようにはにかんだお兄ちゃんが凄く、
凄く凄く好きだなって、
夢みたいだな……って思って……
「ぅん……」
背伸びして、今度は私からキスをした。
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サラン(プロフ) - ミズキさん» ミズキさん、真夜中に読んで止まらなくなってしまったパターンですね?笑 そんなに熱中してもらえて本当にありがたいです(*^^*) コメントも残していただけて本当に嬉しいです!無駄に長い話になってますが頑張ってください! 笑 (2018年8月28日 7時) (レス) id: a36c8f7d95 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 愛い!!!愛がすごいいい!!笑 レオさんからの愛が半端ないですわ… たまーにでてくる、えねねんのお母さんっぷりも最高ですね。笑 そして、ブラックビーンwww めっちゃ笑ってしまいます!!ああ、これからどうなるのか すごく楽しみです!! (2018年8月28日 1時) (レス) id: 0af8ed3669 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - みんははさん» みんははさんありがとうございます!更新遅くてごめんなさい(*_*)個人的にはヘタレでヘロヘロしてるてぐんさんも好きなので欲求不満のまま終了するかもですよ(ФωФ)ふふふ… (2018年5月31日 16時) (レス) id: 238f8fd5ab (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - お兄ちゃんがいつまでガマンしするのか(^^;)何か思うところがあるのかなーうふふ(*´艸`*)続きを楽しみにしてます(^^) (2018年5月31日 15時) (レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - みんははさん» みんははさ〜ん、お兄ちゃん頑張ってま〜す!最高にラブでハッピーな今を存分にお楽しみください(*´▽`*) (2018年5月9日 21時) (レス) id: 238f8fd5ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラン | 作成日時:2018年4月25日 11時