宝物 2

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LE『何のごめん？』


また責められる。
でも今度ははっきり分かってる。
私が悪い。

でも上手く言葉に出来ない。



LE『……Aは俺の事嫌い？俺が愛してるって言ったから？』


「ち、違う。違うよ」


LE『じゃあ何で？違うなら何？』


「何って……」


LE『…………愛してる。だから行くな。俺の傍にいてくれ』


「っ……」


何でいつも……
何でそんなに堂々と言うの？

いちいちこんなに苦しくなる位反応してる私がおかしいの？
それともその『愛してる』は妹として？

もう動揺して混乱して、また言葉が出てこない。


あんなに昼間考えたのに……。



LE『Aは俺の事、どう思ってる？』


胸がざわざわして、また息が苦しい。


言ってもいいの？
正直に答えてもいいの？
そんな事が許される？


いろんな思いや不安が頭を駆け巡る。


「…わ…たしは……………」


…………


「…………」


どうしよう……


…………


「…………」



LE『……………分かった。もう電話しないよ』


急に低くなった声に心臓が嫌な風に跳ねて、


「すきっ」


咄嗟に言ってから慌てて口を押さえた。

意味無いのに。


顔が熱い。



LE『……それは、どういう好き？』


「…………」


LE『俺は只のお兄ちゃん？』


「ちがっ……ちがぅ……」


LE『じゃあ言って？ちゃんと。じゃなきゃ不安で……押し潰されそうなんだ……』


電話越しの掠れた声に、気付いたら涙が出てた。


「好き……」


LE『…………分かった……』


″はぁ……″


また小さくそんな溜め息が、聞こえた気がして、


「愛っ……してる……忘れたこと無い。……約束……」


焦って口走った告白に、また言ってしまってから口を押さえていたら……、


LE『……会いたい……今すぐ』


「…………」


LE『会いたい』


「ぅんっ」


一人でメソメソしながら必死に頷く。



LE『帰ったら離さないからな』


もしかして……
お兄ちゃんも泣いてる？


LE『愛してる。これから何万回でも言うから』


「うん……」


LE『覚悟しろ？』


「うん」


LE『Aは？』


「ぁ…愛してる」


LE『あぁ〜〜〜。……はぁ。もっと早く言えば良かった………俺は何でこうなんだ……』



そんな彼の一人言の嘆きにも何故か頷きながら、
愛しくて愛しくて、
どんな顔してるのか思い浮かんで、
早く会いたくて、


さっきまであんなに″会うなんてムリ″って思ってたのに……

って、苦笑した。泣きながら。



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