宝物 2

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田「へぇ。韓国人って結構グイグイ来るって聞いたけど、ホントなんだ？
でもお兄たま、絶対脈有りだと思うけど。」


「ムリムリ。完璧妹か孫だとしか思ってないから。あとその『お兄たま』やめて。明日本人に言っちゃいそうで怖い」


田「妹ねぇ〜……。じゃあもっとフェロモン出してけば？ドキッとさせるとか」


「フェロモン？でも芸能事務所だよ？
私がどんなに金かけて作り直して頑張ってお手入れしたって顔のデカさがまず違いすぎるし、足の長さだって骨継ぎ足したって敵わないし、乳もデカイしお尻もキュッとしてるしなんか良い匂いするし。
それにこーんな短いスカートとか履いてるんだよ？そーゆーの見慣れてるんだから意味無いよ」


そうそう。
私でさえもう見慣れつつある。


当たり前のように美女がいて、当たり前のようにセクシーなお姉さんがいて、当たり前のように可愛い女の子達がいて、その誰もが一生懸命努力して夢を叶えてお仕事をしてキラキラ輝いてる世界。



「妹と思ってもらえるだけ幸せなんだよ」


田「へぇ。まぁいいけど、後悔したまま帰って来て毎日超重いテンションとか止めて？マジで」


「なにそれ」


田「だって前別れた時そうだったじゃん。
すっげぇ気使ったしこっちまでテンション下がるし〜」


「気使った割にはペラペラ喋るんだなお前は」


田「あれはごめんって〜！憂さ晴らし？」


「貴様……」


田「AちゃんストップストップAちゃん。
『貴様』だけはやめて？ね？『貴様』って言うのベジータだけ。女の子なんだからAちゃんはだめ。ね？お兄たまに嫌われちゃうぞ？」


「うるさい！このお喋り！裏切り者！ムカつくのに笑っちゃうでしょ！」



何故かこの男の前でだけは黒い部分を思う存分発揮出来てしまう。


男だけど感覚的には男じゃない。

だって普通に生理の話とかしちゃうもん。
コイツも普通に、

『あれ？今日あの日？薬飲んだ？』

とか言ってくるし。

ホント、変なやつ。


でも実際助かってる。

包み隠さず文句言ってくるけど、なんだかんだで話聞いてくれるし。
酔っ払ったらちゃんと家まで送ってくれるし。


男女の垣根を越えた親友って、この事なんだと思う。





そんなこんな言い合ってるうちに空港に着いて、


田「じゃ、２ヶ月後ちゃんと帰ってこいよ〜！」


手を振って元気に帰っていった。



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