私の彼氏と愛しい花束 ページ4
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「ただいま」
「おかえり〜あれ?」
いつもの如く玄関に出迎えに行くと、
「はい」
差し出される花束。
「可愛い〜。どうしたの?」
「昨日のお弁当美味しかったから」
「え!?わざわざ!?」
「買ってないけど。貰ってきた」
「いいの?ありがとう〜」
受け取った花束は薄紫の、胸に納まるちょうど良いサイズ。
何気無く貰った優しい色合いの花達。
「どの花瓶にしよう?」
ワクワクしながら考える私に、テグナは優しい笑顔で笑ってた。
翌日。
仕事の合間のコーヒータイム。
いつものようにTwitterや動画を見ていたら、
「あれ?これ……」
昨日の彼のミュージカルの退勤動画に、スクロールする手が止まった。
窓辺に飾った昨日彼が貰ってきてくれた花を見る。
「これだ」
雨の中傘をさしながら、胸に大事そうに昨日の花束を抱えて、濡れないようにして歩いてるテグナ。
なんか……
凄く嬉しい……
車に乗り込む時も、最後まで気にしてる。
昨日そういえば雨だったの、すっかり忘れてて全然気にしてなかった。
何で気付かなかったんだろ私……
ダメだなぁ……
反省しながらも愛しい気持ちがジワジワ染みてきて、無意識にニヤニヤしちゃってる気持ち悪い自分。
「あ〜、可愛い」
堪えきれずに声に出た。
そして、
カシャッ
窓辺に飾った花を写真に修めて、
『テグナ大好き』
ハート付きで送信。
『どうしたの?』
直ぐに返ってきた疑いの返信に、
『また大好きになっただけ』
文字入力しながらヘラヘラしちゃう。
脳内お花畑。
RRRR……
あ、ほらやっぱり。
思った通り、掛かってきた電話。
テグナがこのお花みたいに私達の愛も守ってくれてるから、私達ずっと一緒に居られてるんだろうな……。
改めて思って幸せに浸った、ある日のコーヒータイム。
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作者名:サラン | 作成日時:2017年7月4日 6時