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「Aっ！」
「っ〜……いた……」
慌てて立ち上がると、マメがコロンと足下に落っこちて、でもそんな事どうでもいい。
Aが押さえている手をそっと外すと、血が滲む歯形がくっきり付いていて、
「び、病院行こう！」
血の気が引いて動揺してしまった。
「大丈夫。とりあえず冷やしたい」
噛まれたAの方が冷静で、立ち上がってキッチンに向かう彼女の体を、意味も無く支えるしか出来ない、情けない僕。
「だ、大丈夫なの？病気とか……やっぱり病院行った方が……」
「大丈夫だよ。別に犬に噛まれるの初めてじゃないし。その子、ワクチンとか打ってるんでしょ？」
「打ってるって言ってた気がするけど……
ちょっと待って、先輩に聞いてみる」
電話して、ワクチンもちゃんと打ってあることは確認できたけど……、
「ハギョナ、この子ちょっと預かっといて」
そう言って隣に放り込んできた。
向こうなら男しかいないし、多分大丈夫だろう。
「A、痛い？ごめんね？」
「テグナが謝ることじゃないでしょ？」
「でも……」
血は止まったけど、保冷剤で冷やす彼女の手は赤黒く鬱血して腫れてしまっていた。
「痕、残るかな？」
綺麗な可愛い手が……。
「どってことないよ」
「ダメだ。やっぱり病院行って来よう？」
「……分かった」
Aの手が小さく震えてる。
平気そうに言うけど、どれだけ痛いかそれが物語っていて、罪悪感に押し潰されそうになった。
痛そうで、触れることも出来ないでいると、
「……そんな顔しないで？大丈夫だから」
逆に抱き締められた。
「……いつか一緒に飼おうね？」
「え？」
「ワンちゃん」
「……でも……」
「オスなら大丈夫」
そう言って笑うAに、僕も笑顔にさせられて……
「それはそれで……イヤかも」
「なんで？」
「今度は僕が噛まれる」
二人で笑って、
「行こう」
「一緒に？」
「当たり前でしょ？」
迷うAの、平気な方の手を引いて立ち上がらせて、寝室へ行って二人で変装アイテムを考えた。
「……はい、いいよ？」
玄関でAの靴を履かせてあげて、ちょっと緊張しながらドアを開ける。
わざとお揃いの黒のニット帽を被って、僕は細いフレームの眼鏡と白いマスクにちょっとダサイ格好をして家を出た。
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ERI(プロフ) - サランさん» 是非！宜しく御願いします (2016年10月10日 14時) (
レス) id: 50277497f7 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - ERIさん» ERIさんありがとうございます(>_<)そう言って頂けると、凄く嬉しくて励みになります！今後とも宜しくお願いします(*^^*) (2016年10月9日 22時) (レス) id: 6dcd7388fb (このIDを非表示/違反報告)
ERI(プロフ) - サランさん» お返事ありがとうございます！新しいの見ました！凄く面白いです！また次の更新期待してます！ (2016年10月9日 15時) (レス) id: 50277497f7 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - pubuさん» pubuさん、ありがとうございます！読んで頂き、更にコメントまで頂けて、恐悦至極です(>_<)これからも頑張るので、宜しくお願いします！ (2016年10月9日 8時) (レス) id: 6dcd7388fb (このIDを非表示/違反報告)
pubu - 初めまして^ ^実は密かに拝見させていただいてました> <僕の彼女シリーズが大好きでいつも更新楽しみにしています♪これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2016年10月9日 0時) (レス) id: c5f36204de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラン | 作成日時：2016年8月31日 0時
