あの頃のように【番外編】 (ページ4)

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またベッドに寝転がって瞼を閉じていると、ドキドキよりも、次第に胸が暖かくなってくるのを感じます。

この間の父主催の結婚記念日で、父が結婚21年目だと言っていました。

サランの情報だと、両親が交際を始めたのはそのもっと前だと言っていたから、ずっと長く一緒にいる事になる筈です。

なのに、あんな風にラブラブでいられる事が純粋に凄いと思いました。

母は愛情表現も豊かな方です。

僕らへの愛情も、いつも包み隠さず口に出して伝えてくれたりします。

それは父に対しても同じで、でも、クールな父は母と一瞬目を合わせるだけで、母へ愛情を返したりするのを見たことはありません。

その代わり、母が見ていない時、いつも母を目で追って、優しい眼差しで微笑んだりしているのを知っています。

母が一方的に父の事を好きなのだと、中学生位まで思っていたけど、逆なんだなって気付きました。

それに、サランの情報によると、どうやら先に好きになったのも、告白したのも父らしいです。

サランはよく両親のそれぞれとデートだと言って出掛けたりするので、そこら辺の恋愛話には詳しいです。

僕ら男兄弟は、両親が『お父さん』『お母さん』じゃなくて、たまに名前で呼び合っているのを聞いただけで照れてしまうのに……。

でも……いいな……

僕もいつか結婚したら、お父さんとお母さんみたいな夫婦になりたい……。

目を閉じてそんな風に思っていたら、いつの間にか眠っていたみたいです。

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