私でもヒーローになれますか。 (ページ20)

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トラウマページ20

今から話すのは、僕の過去。

僕の左側は、日に日に、父に似ていった。
母は、僕から、距離を置くようになった。
父は暴力的になり、母に暴力を振るっていた。
母は、いつの間にか、僕を嫌い、僕に悪態を付くようになった。

あの日の晩、喉の渇いた僕は、キッチンに水を取りにいった。
キッチンを覗くと母がお湯を沸かしていた。僕は水を取りにキッチンに入ったら

「愛玖、あんたなんか、こうなればいいのよ！」

そう言って、母は、お母様は、僕の顔の左側を何回も殴った。

愛玖「やめて！やめてよ！お母様、やめて！」

「うるさい！お母様というな！」

数分間にわたり、数え切れないほど僕を殴った母は、とうとう、熱々のやかんを僕の顔の左側に押し付けた。そのアザや火傷は、今でも残っている。
その後、物音を聞いて駆けつけた父に病院へ連れて行かれ、しばらく入院した。
母は、キッチンで、父に殺害されたと聞いた。
その時僕は、病院にいたからだ。この話は、後々軍の人が話していた事を聞いただけだ。

僕は、父も母も恨まなかった。幹部である父の上にいる、敵連合軍の大将となる男を恨んだ。
そして、僕の生まれ持った個性さえも、恨んだ。

この小さな事件以来、僕は名前を愛玖からAに変えた。
そして、住んでいた家を出て行った。
未だに熱いものや、アザがトラウマになっている。

僕は、左側のアザや火傷を隠す為、髪を伸ばし、左側を隠した。

そして、ヒーローになって、父と母が遺した、この個性から生まれた家族を守る決心をした。