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も「なんかA、可愛くなった？」
私の家に入るなりすぐそう私に向かって
言ったもも。
あまりに急な出来事で私は飲んでいたお茶を
吹き出しそうになった。
「 ﾌﾞﾎﾞｫｯ 、は、？何言ってんの？」
も「なんかさ、目がきらきらしてるよ。
………あ、、さては、、彼氏できた？笑」
「、はっ？できてないし」
も「ほんと〜？顔赤いよ？」
私のほっぺをツンツンしてくる彼女。
鬱陶しい。
そう思うのは彼女のいうことがドンピシャだから？
図星だから、焦ってそう思っているんだ。
そんなこと、言えるわけない。
も「まっ、いーや！ほら、前田のとこ！」
ももが言う、" 前田 " というのは私達の
同級生で、この近くでバーを経営している
お金持ち。
前田 拓実 ( まえだ たくみ )
芸能人顔負けのルックスで高校ではイケメン
TOP3に入る奴だったらしいんだけど、
まぁあるあるの性格は最悪。
女たらしで遊び人。
校則なんて平気で破ってたし、現に今だって
目がチカチカするくらいの金髪。
でも彼がいれるカクテルは他のお店じゃ
味わえないくらい美味しくて、お酒の弱い私でも
自然とグラスが進んでしまうくらい。
「明日早いからそんなに飲まないよ。」
も「分かってる！ほらほら、れっつごー！」
ぐいぐいと私の手を引っ張るももは多分、
精神年齢が5歳くらい。
……あ、でも5歳ってお酒飲めないか。
見た目は大人、頭脳は子供。
あの人気アニメの逆バージョンね。
ｶﾗﾝｶﾗﾝ
も「よー！前田！」
前「またお前らかよ。いらっしゃ〜い」
「一応店長なんだからそんな緩い挨拶しない
ほうがいいんじゃない？」
前「うるせー、別にそんな仲じゃねぇだろ笑」
も「有名人になんて口の聞き方っ！」
ペシッとももが前田の腕を叩くと、
いってぇ、と大袈裟に痛がる前田。
くだらないこのノリだけど、この空気も
嫌いじゃなくて困る。
前「何が有名人だ、この店にくるくらいだろ
暇人か？」
「今日はたまたま仕事が早く終わったの」
前「確かにお前毎日見るわ。こんなとこ
来ていいの？」
「別に来ちゃダメなことなんてないでしょ」
も「確かに。有名人が来てくれるなんて
前田のバーすごーい」
前「すげぇ棒読みだな。」
「喉乾いた、いつもの！」
も「うちもー！」
前「りょ」
ｶﾗﾝｶﾗﾝ と氷を回す前田の横顔が一瞬、
紫耀くんの横顔に重なった。
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作者名：憂流。 | 作成日時：2023年4月9日 14時
