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'' 令和最大の売れっ子女優！ ''
なんて言われてるけど実際、
実感も何も私の中では0%。
'' 令和最大 '' だとか、
'' 超絶売れっ子！ '' だとか。
…………正直言ってもう言われ慣れた。
こんなこと言ったら世間から軽蔑される事なんて
分かりきってるから絶対に口にはしないけど。
人間誰しも自分より魅力的な人が居たら少しは
嫉妬するだろう。
私にはそれが感じれない。
この業界には自分よりお金持ちな人、
可愛い人、綺麗な人、それこそ魅力的な人
なんか星の数ほどいる。
その度に少しは嫉妬するけど、それもその人の
個性か。って勝手に1人で納得してる。
でもそれって、人と比べるために持つものなのか？
現に今、近日公開の映画の番宣で、
バライティー出演中。
私がセットに登場するとうるさいほどの
黄色い声援と、聞いてるこっちの手が
ヒリヒリしてくるほどの拍手。
人気者？
いや、そんなんじゃない。
多分、黄色い声援と拍手を送っている客の人の
ほとんどは私に興味なんてないだろう。
他のお目当てがいるはず。
そのお目当てが私の隣に居る人。
'' 平野紫耀 ''
みんな一度は聞いた事があるはず。
あの国民的スーパーアイドル、
King & Princeのメンバー。平野紫耀。
まぁ、さすがジャニーズと言ったところ
だろうか、目の打ちどころがない。
陶器みたいな肌、すっと通った鼻筋、
吸い込まれてしまいそうな瞳。
…………私より女子力あるのでは？と疑って
しまうぐらいに整った顔。
司会「さぁ、今回のゲストは、女優の鈴木A
ちゃんと、King & Prince平野紫耀くんです！」
私のその視線はピシャリとその声で遮られた。
「よろしくお願いしまーす！」
紫「お願いしまーす！」
パチパチ！と起こる拍手。
私はとびっきりのスーパースマイルを
カメラに向けた。
ふと隣を見るとじっとこっちを見ている彼。
え、ちょっと、私の顔になんかついてる？
穴が開きそうなんですけど……
こんな国宝級イケメンにそんな見つめられたら
肌荒れするんですけど。
心の中ではベラベラ喋るけど、なんせ今は収録中。
無駄に色々話せないし、ぱっと視線を
司会の方に移した。
危ない危ない。
ネットで騒がれるところだった。
こんな私でも一応ネット業界だけは恐れている。
こんな一瞬の出来事で過去も未来も
消してしまいたくない。
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作者名：憂流。 | 作成日時：2023年4月9日 14時
