Step35 ページ37
電車に乗って十数分揺られていると、アトリエのある町に着いた。
事前に地図を見てみたところ、星の帰る森……つまり星が沈む西の方角にある森は、この町に一つしかなかった。
駅から歩いて15分。そこにある森は一見普通の森だが、よく見ると大きな門が森の入り口あたりにある。……ここで間違いないみたい。
本当に、なおちゃんの言うように、森の中も謎解きみたいになっているのかな。
ところどころ白いペンキの剥げた、入り口の門を開ける。きいぃっという音が試練の始まりを告げているみたいだ。
日光が眩しく照りつけていた道中と違って、森の中は暗く、緊張して心まで強張りそうになる。それでも一歩一歩進まなくちゃ、プレミアムレアドレスには巡り会えない。怖くたって進むんだ……きっとなおちゃんとミチルちゃんも、今頑張っているんだから。
しばらく道なりに進んでいると、目の前は分かれ道。
右？ 左？ それぞれ道の様子を少し見ていると、分かれ目の真ん中に古びた看板を見つけた。
「……『木の妖精は3人姉妹』？」
書かれている文字を読み上げる。うーん……3人姉妹、ってことは、木が3つ並んでるってこと？
右の道に目を向ける。あ、切り株が3つ並んでる。こっちだ！
右の道を進んでみたはいいものの、これで本当に合っているのかはわからない。今は間違えても引き返せばいいけど、もしもっと先で引き返すことになったら……道に迷いそう。暗い森の中で迷子なんてことだけは避けたい。
その後もしばらく歩き続けると、また左右に分かれている道。「険しい道を選ぶこともプリンセスの強さ」と書かれた看板……上り坂である左の道かな。
左の道を進むとさらに分かれ道、進むとまた分かれ道。何度もそれを繰り返し、かなり奥まったところまで差し掛かってきた。そろそろアトリエが見えてくる頃かな、と思ったところに、またも分かれ道。
看板はこれまで見てきたものよりも大きく、書かれてある文章も長い。
一文字も見落とさないように、注意深く読む。
『心やさしく賢いお姫様は、時計塔が時を告げるのも忘れ、舞踏会を楽しんでいました。やがて夜も深くなり、12時を告げる鐘が、リンゴーンと鳴り響きます。魔法が解けてしまえば、美しいドレスも、きらびやかなアクセサリーも消え、お姫様はただの少女に戻ってしまいます。慌ててお城を飛び出したお姫様は、長い長い階段で、ガラスの靴を落としてしまいました。』
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吹雪朱雪(プロフ) - 銀木犀さん» ですね！ (2022年3月12日 22時) (
レス) id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - 吹雪朱雪さん» ありがとうございます‼︎ 私も高校受験だったので吹雪朱雪さんとは同い年ですね…！お互い春休み自由を謳歌しましょう‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 25f4b581e3 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - おめでとうございます！受験ってことは、高校か大学ですかな？僕は高校を合格したので、もしかしたら同い年かも… (2022年3月12日 21時) (レス) @page36 id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - ななふしさん» ｳﾜｰｰｰｯｯ応援ありがとうございます‼︎ こんな時間に占ツク見てる時点で勉強してないのバレバレですがいただいたコメント見てやる気が出ました…！受験が終わったらめちゃめちゃ更新するのでもうしばらくお待ちください…‼︎ (2022年2月27日 0時) (レス) @page36 id: cb1096e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななふし - どうか勉強のほど頑張ってください…‼︎また更新されるのを楽しみにしています‼︎ (2022年2月23日 16時) (レス) @page36 id: 1a1d3d8eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀木犀 | 作成日時：2019年11月10日 13時
