Step34 ページ35
ここに来た(というより連れてこられた)経緯を説明すると、秋元学園長はくすりと笑った。
「それで、ここに来たの？ ふふっ、なかなか斬新な考えね。素敵だわ」
褒められているのかなんなのかわからず、ただ「はい……」とだけ返す。
「アポを取ってくるから、訪問したいブランドの名前を教えてちょうだい」
意外にもあっさりと学園長に承諾されたことに、私は驚きを隠せなかった。
「どうしたの千叶ちゃん、ハブが水鉄砲を食ったような顔して」
「それを言うなら『鳩が豆鉄砲を食ったよう』でしょ……」
そして学園長すらものの十分程度で戻ってきた。
こんなにもサクサクとアポが取れてしまうなんて、やっぱりアイディールはデザイナーとのコネでも持っているのだろうか……改めてとんでもないところだなと思う。
「それじゃあ、住所と連絡先を渡すわね」
学園長からメモ用紙を受け取る。
「皆さんとてもお忙しいから、お手を煩わせないようにね。失礼のないように、下調べも徹底しておきなさい。デザイナーさんに、あなたたちの情熱を伝えてくるのよ」
「はい！」
もう一度、手元のメモ用紙に目を向ける。本当に、ここに行けば、宮鐘さんに……。
って、あれ？
「……学園長」
「どうしたの？」
「あまりにも住所がざっくりすぎませんか……⁉︎」
町名の他には、「星が帰る森」としか書かれていないメモをもう一度見る。なおちゃんとミチルちゃんが持っているメモもちらっと見たけど、こんなにざっくりしたした住所が書かれているのは、どうやら私だけのようだ。
「ああ、それはね。宮鐘さんのご意向でそうなっているのよ。頑張って場所を探してみて」
ウィンクをばちっと決める学園長に、再び「はい……」と力の抜けた声で答える。
どうやらプレミアムレアドレスを手に入れるための道のりは、思っていたよりも果てしなかったようだ。
「『星が帰る森』ってどういうこと……？ 星は家に帰らないじゃん！」
学園長室から帰りながら、私は住所の解読を進めていた。
宮鐘さんのアトリエがある町までそう遠くなかったことは幸いだけど、「星が帰る森」の意味が全くわからない。でもわからないままじゃ、プレミアムレアドレスは手に入らないし……。
「あっ、星が『帰る』って、沈むってことじゃない？」
なおちゃんが気づいたように言う。
「もしかしたら、アトリエに着くまでの道のりも、こんな風に謎解きみたいになってるのかもよ」
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吹雪朱雪(プロフ) - 銀木犀さん» ですね！ (2022年3月12日 22時) (
レス) id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - 吹雪朱雪さん» ありがとうございます‼︎ 私も高校受験だったので吹雪朱雪さんとは同い年ですね…！お互い春休み自由を謳歌しましょう‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 25f4b581e3 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - おめでとうございます！受験ってことは、高校か大学ですかな？僕は高校を合格したので、もしかしたら同い年かも… (2022年3月12日 21時) (レス) @page36 id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - ななふしさん» ｳﾜｰｰｰｯｯ応援ありがとうございます‼︎ こんな時間に占ツク見てる時点で勉強してないのバレバレですがいただいたコメント見てやる気が出ました…！受験が終わったらめちゃめちゃ更新するのでもうしばらくお待ちください…‼︎ (2022年2月27日 0時) (レス) @page36 id: cb1096e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななふし - どうか勉強のほど頑張ってください…‼︎また更新されるのを楽しみにしています‼︎ (2022年2月23日 16時) (レス) @page36 id: 1a1d3d8eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀木犀 | 作成日時：2019年11月10日 13時
