Step31 ページ32
結果は明白だった。
以前よりもさらに洗練された、つむぎちゃんの歌声、演技、雰囲気に、審査員の人の目は釘付けだった。敵わない、というやけにはっきりとした直感があった。押された。完全に。
つむぎちゃんの元に合格の知らせが届いてからも、私の中には、あの生き生きとした横顔が鮮明に残っていた。
あんな実力を持った人が、同級生にいるんだ……。
全員が高い倍率の試験を突破してここに来ている以上、全員が何かしらの「素質」を持っていることは、なんとなく理解していたつもりだった。
生まれ持った才能だったり、容姿だったり、性格だったり。
ここに入学して2ヶ月近くが経って、私にも少なからずそれがあるんだろうな、とは思っていたけど。
同じ時期に入学してきた仲間だからといって、持っている素質が同じレベルとは限らないんだ。
同じスタートラインに立って、同じタイミングで、スタートを切ったつもりだったけど、実際はそうではない。きっと、つむぎちゃんのような人はいっぱいいる。この学年にも。
ふと隣を見る。なおちゃんは、寮の部屋のベッドに仰向けになって、目を瞑ったまま、ヘッドフォンで音楽を聴いている。……きっと、同じことを考えているのだろう。
入学して、友達ができて、一緒にレッスンする中で、大変なこともあるけど、仲間がいるから大丈夫だと思ってきた。でも、その「仲間」だって、時にはライバルとして競い合うことになる。
いつも私が勝つとは限らない。ずっと負け続けることだってあるかもしれない。その時に私は、仲間に対して、笑顔で「おめでとう」と言えるのかな……。
不意に、コンコンコン、とノックが聞こえる。
重く澱んだ部屋の中の空気を払拭するような軽快な音に、のろのろと足を動かしながら、「はーい」と応える。
ドアを開けると、アイカツフォンを片手にしたミチルちゃんが「大変、大変、大変だよ！」と言いながら部屋の中に入ってくる。
「何？ どうしたのよ急に」
ベッドから身を起こしたなおちゃんが言う。
「白月先輩が！ 記者会見開いてて……！」
アイカツフォンが机の上に置かれる。三人でその画面を覗き込んだ。
『——それで、そのサマーライブのスペシャルゲストというのは……』
『はい。私が在籍するアイディールスクールでオーディションを行い、合格者にこのライブのゲストとして、パフォーマンスを行ってもらおうと考えています』
Step32 第5章「サマーライブは波瀾万丈⁉︎」→←Step30
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吹雪朱雪(プロフ) - 銀木犀さん» ですね！ (2022年3月12日 22時) (
レス) id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - 吹雪朱雪さん» ありがとうございます‼︎ 私も高校受験だったので吹雪朱雪さんとは同い年ですね…！お互い春休み自由を謳歌しましょう‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 25f4b581e3 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - おめでとうございます！受験ってことは、高校か大学ですかな？僕は高校を合格したので、もしかしたら同い年かも… (2022年3月12日 21時) (レス) @page36 id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - ななふしさん» ｳﾜｰｰｰｯｯ応援ありがとうございます‼︎ こんな時間に占ツク見てる時点で勉強してないのバレバレですがいただいたコメント見てやる気が出ました…！受験が終わったらめちゃめちゃ更新するのでもうしばらくお待ちください…‼︎ (2022年2月27日 0時) (レス) @page36 id: cb1096e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななふし - どうか勉強のほど頑張ってください…‼︎また更新されるのを楽しみにしています‼︎ (2022年2月23日 16時) (レス) @page36 id: 1a1d3d8eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀木犀 | 作成日時：2019年11月10日 13時
