【アイカツ！】To my own Dream!

Step26　第4章「掴め、ミュージカルスター！」 ページ27

……そして、オーディション当日。

一次審査の内容は歌唱力テスト。三人でチームパフォーマンスをして合否を決める。
練習はしてきたけど、本物のステージでは初めてのチームパフォーマンスだ。スペシャルアピールも、一人の時とは違って、三人の息を合わせることが必要になる。

既に会場入りしていたなおちゃん、ミチルちゃんと合流して、その時を待つ。
イメトレをしたり、軽くステップを踏んでみたり、苦手なところをもう一度歌ったり……。
時間はあっという間に過ぎ、ついに私たちの出番になった。

「絶対、みんなで合格しようね」

「当たり前でしょ？ 余裕で受かってみせるわ」

「楽しいライブにしようっ！」

それぞれが別々のフィッティングルームに入る。次に二人と会えるのは、ステージの上。
……勇気が試されているような、この時間が少し苦手、かもしれない。
緊張するけど、それを支えてくれる友達はいない。かと言って逃げ出すこともできない。

ううん、ここまで来たらやるしかないんだ。
それに……手元のカードを見つめる。私の新しいパートナーが、いつもそばにいてくれる。だから。

「七星千叶、キラキラに輝きます！」

台座にカードをセットすると、いよいよだと言うように扉が開いていく。
輝く道を駆け抜けて、キラキラのドレスを身に纏うと、そこはイリュージョンステージの上。
隣のなおちゃん、ミチルちゃんと視線を交わし、頷き合うと、最初のポーズを一斉に決める。

始まった。
歌い出しから早速三人でのユニゾン。それぞれがちょうどいい声量のバランスになるように意識して……。

今回の課題曲は、歌唱力を重視するために、激しい振り付けなどはない。けれど、感傷的で切ない歌詞をいかに表現するか、という演技力の部分も試されてくる。
その上で、自分勝手なステージにするのではなく、三人で協力してステージを創り上げる。
自己のアピールと、協力の両立。
改めて難しいライブだと思う。でも。

なおちゃんと、ミチルちゃんと向かい合って見つめ合う。息を合わせて手を繋ぐ。
スペシャルアピール、トライアングルライト——！

ステージに降り立って、最後のポーズ。
試験官の人から拍手をされながら、はやる気持ちを抑えて、ステージ袖へと向かった。





後日届いた封筒には、一次審査合格、との知らせが書かれていた。
なおちゃん、ミチルちゃんも合格だったらしく、三人で抱き合って喜んだ。
……次は二次審査。演技力が試される。

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