Step22 ページ23
……千叶たちがPalettesに密着している頃。
コンコンコン、と学園長室をノックする人影が一つ、廊下にあった。
春道うらら。千叶やなお、ミチルが在籍している、一年A組の担任である。
「失礼します」
革張りの椅子に座った、秋元もみじが微笑む。
「あら、春道先生。どうされたの？ 密着中の生徒たちに問題でも？」
「いえ、そういうわけではないのですが……少し、学園長にお伺いしたいことがあったので」
秋元に座るよう促され、春道は、応接スペースのソファに腰掛ける。どことなく不安げな色を湛えた目で、ぼうっと下の方を見つめている。
「春道先生が訊きたいのは、あの三人のことでしょう」
「……はい」
「私はあの三人に、可能性を感じているのよ」
はっと目を見開き、秋元の目を見上げた春道に、秋元は微笑む。
「とりあえず、お茶にでもしましょうか」
応接用の茶色く重厚なテーブルに、上品な意匠の凝らされたティーカップとソーサーが置かれる。中の紅茶がゆらゆらと揺れている。
「学園長も、そう思われますか」
「そうね。お披露目ライブでのあのステージ……明らかに、他の生徒とオーラが違った」
秋元の白い手がティーカップに伸びる。くい、と飲み、ソーサーの上に再びカップが置かれると、僅かにカチャリと音がした。張り詰めた空気に拍車をかけるような音だ。
「七星千叶、蒼木なお、望ミチル」
秋元が三人の名を口にする。呟くように、そっと、しかしはっきりと名前を読み上げたその声に、春道の表情が一層不安に染まる。
「彼女たちを、あの生徒たちに密着させたのも、それが目的よ」
「……やはり、そうですよね」
「彼女たちには、可能性がある。アイカツ界の歴史を大きく変えてしまうような、大きな可能性……だからこそ、トップを走るようなアイドルたちの姿を間近に見せる必要があった」
「ですが、あの子たちはまだ、入学してそんなに」
「ええ、わかってるわ」
春道の言葉を優しく遮ると、秋元は嗜めるように続ける。
「だから、あなたには協力してほしいのよ」
「協力、ですか？」
「彼女たちのあのライブは、おそらく練習量に裏打ちされたもの……素晴らしいライブだったけれど、それがエスカレートするとどうなるかは、わかるわよね」
春道が俯くように頷く。
「近いうちに白月とも話をするわ。まだ彼女たちは、アイドルとして経験が浅い。大事なところで、あなたが支えられるようにね」
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吹雪朱雪(プロフ) - 銀木犀さん» ですね！ (2022年3月12日 22時) (
レス) id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - 吹雪朱雪さん» ありがとうございます‼︎ 私も高校受験だったので吹雪朱雪さんとは同い年ですね…！お互い春休み自由を謳歌しましょう‼︎ (2022年3月12日 22時) (レス) id: 25f4b581e3 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪朱雪(プロフ) - おめでとうございます！受験ってことは、高校か大学ですかな？僕は高校を合格したので、もしかしたら同い年かも… (2022年3月12日 21時) (レス) @page36 id: a6664ce86f (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀 - ななふしさん» ｳﾜｰｰｰｯｯ応援ありがとうございます‼︎ こんな時間に占ツク見てる時点で勉強してないのバレバレですがいただいたコメント見てやる気が出ました…！受験が終わったらめちゃめちゃ更新するのでもうしばらくお待ちください…‼︎ (2022年2月27日 0時) (レス) @page36 id: cb1096e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななふし - どうか勉強のほど頑張ってください…‼︎また更新されるのを楽しみにしています‼︎ (2022年2月23日 16時) (レス) @page36 id: 1a1d3d8eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀木犀 | 作成日時：2019年11月10日 13時
