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A.S
「………ん」
目を開けると一面の白。
ここはどこだろう。
「Aさん!目が覚めましたか」
「武田…先生?」
心配そうに私の体を揺する武田先生。
痛い痛い。やめて下さい。
「よかった…」
安心したようにホッと息を吐く先生。
なんかすいません。
「ところで、なんで私は保健室にいるのでしょうか」
周りを見る限り、医療用具ばかり。
…とすると多分そうなのだろう。
「覚えてないんですか?Aさん、魔力測定テストのときに水魔法で制御が効かなくて、そのまま……」
思い出した。全部。
確か武田先生が助けてくれたんだっけ?
「武田先生、ありがとうございます」
「お礼なら烏養くんに言ってください。私の制御魔法では魔力が足りなくて、そこを烏養くんに助けて貰ったんですよ」
烏養くん?誰だろう。「くん」付けしてるから武田先生より年下?かなり若いな。
「烏養くんはDクラスの担任。後でお礼を言っておいて下さい」
へぇー。烏養くんかぁー。会ってみたい。
すると
ガタンと勢い良く扉が開き、見た目は若そうな男の人が入ってきた。
この人が「烏養くん」なのかな?
「武田先生!なんですかこのテストの結果は!魔力
「はい、僕も最初は驚きました。けれど、試験を見たらそれも納得です。
彼女は、初めてにも関わらず、信じられない威力の魔法を使いました。
彼女は、才能の塊です」
「そういえば、この男の人が私を助けてくれた「烏養くん」なんですか?」
「ははっ、違うな。俺は溝口貞幸、生憎烏養さんじゃないな。残念だったな」
けらけらと笑う溝口先生。イラッ()
「クラスは?と聞きたいところなんだが、この魔力だったらAクラスだな。俺が担任じゃないのが残念だな」
「その事なんですけど、私って全属性?じゃないですか。でも、あまり知られたくないんです。それに、全属性ってちょっぴり嫌われちゃってますよね」
「そう言われてもですね」
武田先生が考え込む。いや別に無理ならいいんだけどね。
「校長に相談してみるか。一応」
目立たなければいいんですよ。私は。
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作者名:ふわ | 作成日時:2018年4月29日 1時