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5. ページ6

A.S



「………ん」


目を開けると一面の白。

ここはどこだろう。



「Aさん!目が覚めましたか」


「武田…先生?」




心配そうに私の体を揺する武田先生。
痛い痛い。やめて下さい。


「よかった…」

安心したようにホッと息を吐く先生。
なんかすいません。



「ところで、なんで私は保健室にいるのでしょうか」


周りを見る限り、医療用具ばかり。
…とすると多分そうなのだろう。



「覚えてないんですか?Aさん、魔力測定テストのときに水魔法で制御が効かなくて、そのまま……」



思い出した。全部。
確か武田先生が助けてくれたんだっけ?



「武田先生、ありがとうございます」





「お礼なら烏養くんに言ってください。私の制御魔法では魔力が足りなくて、そこを烏養くんに助けて貰ったんですよ」



烏養くん?誰だろう。「くん」付けしてるから武田先生より年下?かなり若いな。




「烏養くんはDクラスの担任。後でお礼を言っておいて下さい」




へぇー。烏養くんかぁー。会ってみたい。


すると






ガタンと勢い良く扉が開き、見た目は若そうな男の人が入ってきた。


この人が「烏養くん」なのかな?




「武田先生!なんですかこのテストの結果は!魔力SS(・・)、全属性って。俺見たことないですよ」




「はい、僕も最初は驚きました。けれど、試験を見たらそれも納得です。


彼女は、初めてにも関わらず、信じられない威力の魔法を使いました。




彼女は、才能の塊です」




「そういえば、この男の人が私を助けてくれた「烏養くん」なんですか?」



「ははっ、違うな。俺は溝口貞幸、生憎烏養さんじゃないな。残念だったな」



けらけらと笑う溝口先生。イラッ()





「クラスは?と聞きたいところなんだが、この魔力だったらAクラスだな。俺が担任じゃないのが残念だな」


「その事なんですけど、私って全属性?じゃないですか。でも、あまり知られたくないんです。それに、全属性ってちょっぴり嫌われちゃってますよね」




「そう言われてもですね」


武田先生が考え込む。いや別に無理ならいいんだけどね。




「校長に相談してみるか。一応」


目立たなければいいんですよ。私は。

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作者名:ふわ | 作成日時:2018年4月29日 1時

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