ルトリアングル3

最後の言葉はちっぽけで ページ43

朝_____




私は、ジョンハンのベッドで目が覚めた。




あれから、泣いて疲れて寝てしまったのか覚えていないけれど、寝落ちした私をきっとジョンハンがベッドまで運んでくれたんだと思った




キッチンの方からは焼けたベーコンと卵のいい匂いがして、ラフな大学生スタイルの服を着たジョンハンが朝食の用意を二人分していた





「もう、僕これから講義出ないといけないからAの見送り行けないけど一人で帰れるよね？」




そうジョンハンは、食卓についてご飯を食べ始める




「…うん」




私もジョンハンに促されて朝食を食べる。




そして、その後に玄関で帰る私を見送るジョンハン






「ねえ、ジョンハン。連絡先、教えてもらっていい？」




帰り際、私がジョンハンにそう言うと





「悪いけど、これからもAと関わっていく気はないから。


今日が最後だよ、僕に会うのも、ここに来るのも」







そう、冷たく言うジョンハン



私は、唇をギュッと噛む






「本当に、ジョンハンはそれでいいの？」








私は、全然納得行かないよ




こうして、また何かの運命で再会できたのに




友達にも戻れないなんて




酷すぎるよ、ジョンハン…






「憎むなら憎んでくれていいよ」







ジョンハンは、もう変わってしまったらしい








「もう僕は忘れたいんだよ。自分のしてしまったこと全て。


もう思い出したくないんだ。


でも、Aのことを見るだけで思い出してしまう、あの頃の僕を」






だから、ジョンハンは消してしまったんだね




私を、ジスを、ジュニを…




私が彼を愛していたことも、きっと忘れてしまいたいんだね







「だから、ジスにも、ジュニにも誰にも言わないでね。僕と会ったこと、僕がどこにいるのか」








彼と最後に交わした言葉はそれが最後だった





もう、人生で彼と喋ることもないかもしれないのに





そんなちっぽけな言葉…





また、家路に着くまでにポタポタと水がコンクリートに染み込んでいく





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「A、どうだった昨日の合コン？て、その顔どーした」





大学までの道のりで話しかけてきたのはジスだ





あれから、電車で家まで帰って、メイクを落としてここまできたけど、ずっと泣いてたし、髪はボサボサだし、今の自分の顔がすごくひどいに決まってる





「って、なにこれ。ちょっと、Aこっちきて」






ジスは私を木陰に連れて行った

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