ルトリアングル3

愛するより愛される恋 ページ31

「お前の中にまだジョンハンはいるかもしれないけど



もう、お前の目の前にジョンハンはいないんだよ…




いない奴のこと追いかけても、お前はいつまで経っても幸せになんてなれない




お前が幸せになんないと、俺もジョンハンも幸せになれないだろっ……」






そう言って、街灯のない暗がりで




ミンギュは私を抱きしめた。




優しく、強く






「もう、あいつのことは忘れてくれよ…



俺が忘れさせるから…」







そして、ミンギュは強く強く私を抱きしめるんだ




ミンギュの想いが痛いほど伝わってくる








「ごめんね、ミンギュ…私、本当に最悪だね」






ずっと私は、ミンギュに辛い想いさせてきたんだ






「ミンギュの気持ち、嬉しかったよ。こんなにも私を想ってくれてるんだって…」






私もミンギュを抱きしめ返す。



抱きしめ返さずにはいられなかった。



切なくて愛おしくて






「私、ジョンハンのこと忘れた、まではいかないけど

今は良い想い出になったんだって思ってる」






もう随分ジョンハンの顔を見てないから




彼は私の記憶の中の人だけになってる





記憶は不確かなものだから、時間の流れとともに徐々に薄れていく





それは彼が私の中で過去になってるということなんだと思う






「ジョンハンのことを忘れることはきっと一生をかけてもできないけど


私は、ちゃんと前を向いて歩けるようになった」







最初は過去の想い出にすがってばかりだったけど




それはきっと、ジョンハンを忘れたくないという想いからだったんだと思う



彼は記憶の中でしか私の中に残ってないから、薄れていくのが怖かった





けど、ジスが言ってくれたみたいに、こうして嫌々でも結局合コンにきたのは新しい風を探していたから





新しい恋をしてみたいと思ったから






「もし、私が愛するより愛される恋を選ぶなら…」






愛するより愛される恋もまた




違った形の恋愛として始めることができるなら








「私は、ミンギュに愛される恋がいいよ」








彼が今までこんなにも長い時間





私に費やしてきた想いに応えたい







「それって………」







ミンギュが顔を上げる







「心の準備がまだないから今すぐには無理だけど、いずれはそうなりたいよ」








そう言うと、ミンギュは笑った






子犬みたいで可愛いミンギュ









新しい恋を初めてみよう。ミンギュと一緒に。

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