ルトリアングル3

【好きなんだ、残酷な君が】 ページ13

「俺、この前見たんだよ。ジョンハン君が隣中の奴らとやり合ってるの。かっこよかったなあ」





慈悲のない冷たい表情、笑顔、それは全て偽りのない本物で




完璧な強さ




それは俺が今までに見たことのない人間だった





「ねえ。そんなに人を殴るのが好きならさ、俺とグループを作らない？


もちろん、ジョンハンがリーダーで俺は構わないから」






調べていて知った。




彼は孤独だ。




家族から見放されて育った上に、幼稚園、小学校ではいじめられて一人ぼっち。



小学校の時に窓ガラスを素手で割って流血、13針縫ったけど彼は笑っていたらしい





完全なる人格破綻者





そばにいるのは、小学校3年生の頃から一緒に過ごしている唯一の友達と言っていいホン・ジス




現在彼女一人…か




付け入る隙はいくらでもありそうだ






「うん、いいよ」





俺は、ジョンハンをリーダーとするハヌルを作り上げた



でも、そこには気に入らない存在が一人






「ジュニ、ジョンハンのことよく見ていてあげてね」



「え？」




「彼がいつか壊れないように見守る、彼の心が危なくなったら助ける、それがジョンハンのそばにいる人の役目だと俺は思っている」






そう言って、優しくジョンハンを見るのはホンジスだ




明らかなる人選ミス、俺は奴を副リーダーにしてしまった




ジョンハンとずっと一緒にいるからジスもジョンハンと同じ人間だと思っていたけど




奴はどうも違うらしい




ジョンハンが道を踏み外さないように見守る
それが自分の使命だと思ってるジスは




完全なる紳士気取り、俺が大嫌いな人間だ




まさか、ジョンハンと本気で友達だと思っているんだろうかジスは





バカか




ジョンハンは自分らしく欲望のままでいる姿が一番美しいんだ





「そうだね。俺も、ジョンハンが堕ちないように見守るよ」





そんなジスに俺は合わせるフリをした





ジョンハンは、俺が守るよ





ジスなんかに、邪魔されない





孤独なジョンハンは、愛や友情とかそんな目に見えないものは信じない





俺にとって確かな存在なんだ

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