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209.瞳で揺らめいて煌めく花火 ページ9

「A、


 あの時も、今も、ずっと…


 ずっと君を愛してる。」



 キラキラと光る花火は


 杏寿郎さんの瞳の中でより一層揺らめいて煌めく。



「…俺は小野寺の家に行ったあの日から、


 小野寺の奥さんの取り乱した姿と


 彼女の言葉を聞いて、考えるようになった。


 俺も同じ鬼殺隊、いつ命を落とすかもしれない。


 そうなった時、俺は君を残していくことになる。

 
 君の悲しむ姿を想像するだけで、俺は耐えられなかった。


 君には幸せでいて欲しい。笑っていて欲しい。


 大切な人と共に暮らし、子を産み、

 
 あたたかい家庭を築いて欲しいと思った。」



 杏寿郎さんは私の両手を優しく握り言葉を続けた。



「…そう考えたら、


 俺は君の隣にいるべきではないと思った。


 Aのことが誰よりも大切だから、


 たとえ、一緒にはいられなくても


 君が世界のどこかで


 笑っていてくれればそれでいいと思った。」



 私は優しく彼の手を握り返す。



「…だから、別れて欲しいと?」



「そうだ。



 でも、俺は最後まで迷ってしまったんだ。



 君の幸せを願うくせして


 その手を離したくなくて…。



 聞こえるか聞こえないか…花火の音に乗せて



 君に"愛している"と伝えた。」



 聞きたかった言葉に

 私の頬から一筋の涙がこぼれ落ちていった。




「…杏寿郎さん。


 あなたって人は勝手すぎます。


 私が幸せかどうかは、私が決めるのですよ。



 
 私は杏寿郎さんといることが幸せです。


 他の誰でもないあなたがいいのです。



 確かに鬼殺隊はいつ命を落とすか分かりません。


 でも、それは私も同じですよ?


 もしかしたら明日事故に遭うかもしれない。


 突然の病で命尽きるかもしれない。



 いつ終わるか分からない旅路を


 共に歩きたいのは…杏寿郎さん、あなただけです。」



「A…」



「杏寿郎さん、



 私もずっと変わらず




 あなたを愛しています。」




 私の言葉に彼は幸せそうに微笑んだ。




「A、愛してる。



 どうか俺のそばにいて欲しい。」



 杏寿郎さんは1年前と同じように



 私の頬に触れようと右手を伸ばした。



 私が瞳を閉じると、


 杏寿郎さんの手が優しく頬に触れ、


 顎先に手が降りてくると、ゆっくりと顎を上げる。




 甘くて



 熱い



 口づけを交わした。


 
 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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