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242.一番近くで ページ42

「一人で大丈夫ですか?」


「大丈夫!藤の花のお守りをしのぶさんにもらったし!」


「でも…」


「平気だよ。」


 私は千寿郎くんの肩に手を置く。


「花火大会、一緒に見るって約束なの。」


 空はオレンジ色に染まり、

 遠くからひぐらしの鳴く声が聞こえる。


「いってきます。」


「いってらっしゃい。」



 私は下駄を鳴らしながら杏寿郎さんと歩いた道を進む。


 しばらく歩くと、2人で花火を見た土手にたどり着いた。



 ヒュー



 ドンッ



「とても綺麗…。」


 少し湿った風が私の頬を撫でる。


「杏寿郎さんも見ているのかな?」


 夜空に咲く花の光の影に映るは一人。


「…会いたい。」







 花火の打ち上げが終わり、あたりは静まり返る。


 私は杏寿郎さんの写真と指輪の入った袋を手に


 ゆっくりと歩き出した。


 自分の意思なのか、無意識なのか…


 歩みは止まらない。



 一番近くで北極星(あなた)を見たい。



 私はあの高台へと向かっていた。




 カランコロン


 カランコロン…



 それは突然だった。本当に一瞬の出来事。



 暗闇の中を何かが近づいてくると思った瞬間。



「危ない…!!」


 
 聞き覚えのある声。


 炎の羽織が見えた気がした。





 キイイイイイ!!



 ガシャン…





 痛い…


 背中が焼けるように痛い…


 意識が朦朧とする…



 クルマに轢かれた…?




 私はそこで意識を手放した。




 





 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (2023年5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (2023年5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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