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225.西洋のカメラ ページ25

パシャ


 それは、私が杏寿郎さんの部屋に飾っている

 お花の手入れをしていた時だった。


「わっ!!なんですか?」


「驚かせてしまってすまない!


 知り合いからカメラを頂いてな。


 西洋のもので、試しに撮ってみようと思ってな!」


 突然のことに目を丸くする。


「そのような小型なものもあるのですね。」


「うむ!大変興味深い!」


 目を輝かせている杏寿郎さんは


 なんか可愛らしい。



「ほら、こっちをみて。」


「えー、なんだか照れますよ…。」



 パシャ



「うむ!よく撮れた!現像が楽しみだな!」


 私は杏寿郎さんの手からカメラを取ると、


 おもむろにレンズを彼に向けた。


「私にも撮らせてください。」


「いいだろう!」



 レンズ越しに映る彼も



 凛々しくて


 かっこよくて


 私は息をのむ。




 パシャ




「杏寿郎さん。」



「ん?」



「…かっこいいです。」



 杏寿郎さんは眉を上げて驚いたかと思うと、


 優しい顔をして微笑んだ。



「ありがとう。

 君に言われると心から嬉しい。」


 あまりにも素直な反応に戸惑ってしまう。


 私はカメラを彼に返すと、再びお花の手入れを始めた。



「本日のご予定は?」


「夕刻より、担当地域の巡回と、

 新たな任務の情報収集に向かう。」


 桃色のコスモスを花瓶に挿し、

 私は杏寿郎さんの方へ身体を向けた。



「新しい任務?」



「うむ。少し厄介な鬼のようだ。」



「そうですか。それは心配ですね。」



「家に戻らないことも多くなるかもしれない。

 戸締りだけはしっかり頼むな。


 それから…」


 杏寿郎さんが言葉を詰まらせたので私は首を傾げた。



「夕刻より後に外に出ることは禁ずる!

 最近は鬼の目撃情報も多いと聞く。

 君は稀血だったと思うから、より気をつけるように!」


「わ、分かりました!」



 静寂の中、杏寿郎さんはまっすぐと私を見つめている。


「…どうかしました?


 私に何かついているでしょうか?」


 すると杏寿郎さんは

「いや、何もない。」

 と眉を下げ微笑んだ。



「少し早いが、写真館にも寄りたいので

 そろそろ出立するとしよう!」


「では、お着替えの支度をしますね。」


「うむ。よろしく頼む。」




 杏寿郎さんが支度を終え、


 私が千寿郎くんと一緒に玄関まで送りに行くと、


 ちょうど玄関の扉が開いた。

 
 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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