君が思い出すまで5【煉獄杏寿郎】

203.懐かしい人からの文 ページ3

"Aさんへ


　お久しぶりでございます。


　お元気でいらっしゃいますか？


　西洋に渡って長い月日が経ちました。

　
　こちらの生活にも随分と慣れ、


　楽しい日々を送っています。


　日本では知られていない珍しい料理などもあって


　とても刺激的です。



　そうそう、それからね、


　こちらの国で恋人ができて、私ね、結婚するのよ。


　彼は優しくて情熱的でとても良い人なの。


　私、幸せよ。

　
　あなたたちはどうですか？


　仲良くやっているでしょうか？


　来年には一度日本へと帰る予定だから


　その時は女同士でたくさんお話しましょうね。


　それでは、お元気で。


　華恵より"





　そう書かれた文と共に、数枚の写真が入っていた。


　写真は西洋の料理や、旅行に行った時のものだろうか、


　観光地で撮ったもののような写真だった。


　その中の一枚は、結婚相手の男の人と二人で


　写ったものもあって、二人とも素敵な笑顔だった。



　ふと、私の頭には、過去に華恵さんからいただいた

　文が思い出された。




　"必ず幸せになりなさい。


　私が身を引くのだから、二人で幸せにならなければ


　私は許しません。


　私の最後の願い、ちゃんと聞いてくださいね。


　約束ですよ。"




「…華恵さん。


　ごめんなさい…ごめんなさい…。


　約束、守れなさそうです…。」



　私は華恵さんからの文を胸に抱きしめて




　枯れるまで涙を流した。








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　華恵からの過去の文

『君が思い出すまで3』 134話 女の約束

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