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220.柱合会議 ページ20

「では、行ってくる!」


「はい、お気をつけて。」


 隊服に身を包み、羽織をなびかせて、


 杏寿郎さんは家を出る。


 朝晩はよく冷えるため、私は指先を口元に近づけて

 
 はあっと息を吐いた。


「…寒い。」


「Aさん、おはようございます。


 兄上はもう行かれたのですか?」



「千寿郎くん、おはよう!

 今日は柱合会議とのことで、

 杏寿郎さんは今し方、産屋敷邸に向かいましたよ。」



「そうでしたか!

 すみません。

 今朝は一層冷えたので、寝坊をしてしまいました。」



「大丈夫ですよ。

 今日はあたたかいものを食べましょうか!」


「はい!」






 日が上り、昼餉の支度をしようと台所にいると


 玄関から音がして千寿郎くんの話し声が聞こえてきた。



「ごめんください。」


「和尚さん、こんにちは!」


「千寿郎くん、こんにちは。

 お昼時にすまないね。お父上はどうかな?」


「今、声をかけてきますね。」



 私は一度手を止めて玄関へと向かうと和尚さんに挨拶をした。


「こんにちは。」


「Aさんか、こんにちは。

 あなたがいると、煉獄家は華やかになるね。」


「そんな!褒めていただいても何も出ませんよ!」



「いやいや、本当のことだよ。

 槇寿郎さんにも良い影響を与えていると思う。」


「そうでしょうか。」


 和尚さんは優しく微笑んでいた。







 杏寿郎さんが家に戻ってきたのは


 日が落ちて外は闇に包まれた頃だった。



「ただいま戻った!」


「おかえりなさい。」


「夕餉の支度ができていますが、

 先に湯浴みにしますか?」


「うむ!」


 杏寿郎さんは玄関から上がると私の頭に手を置き、

 肩の荷を下ろしたような顔で微笑んだ。



「ありがとう。」



 湯浴みに向かった杏寿郎さんは

 
 疲れているのか着替えを持たずに行ってしまった。


 私が杏寿郎さんの着替えと拭くものを持って


 お風呂場へ向かうと、彼はそれに気付いたようで


 湯船に浸かったまま声をかける。



「Aか?」


「はい。お着替え置いておきますね。」


「ありがとう!すっかり忘れていた!」


「お疲れなのでしょう。」




 天井から雫の落ちる音と、


 杏寿郎さんが湯船の湯をすくう音が聞こえる。






「今日は少し驚くことがあってな!







 鬼を連れた隊士がいたんだ。」










「鬼…ですか?」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (2023年5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (2023年5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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