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234.約束しよう ページ34

「A、顔を上げて。」



 私は涙に濡れた顔をゆっくり上げた。



「きっとまた巡り会える。」




「…会えるでしょうか。」



「うむ。俺はそう信じている。」



 すると杏寿郎さんは小指を差し出して私の小指に絡めた。




「…約束しよう。


 俺が必ずまた君を見つけると。」





「…待っているね、ずっと。」




「ああ、だからどうか…







 俺が君を愛したことを忘れないで。」




 杏寿郎さんはそう告げると、


 唇に優しく触れる口づけを落とし、



 太陽の光に照らされて


 霧と共に消えていってしまった。






 私は北の空を見上げる。




「動かない星、北極星に…なられたのでしょう?」



 震える声が自分の耳だけに届く。



 夜が明けた空にはもう星は見えない。



「ねえ、杏寿郎さん。

 
 私はあなたを想い、空を見上げるから。


 だから…そこから…そこから見ていて。


 私は生きる。あなたと共に…生きるから。」




 

 そこで私は意識を手放した。




 鳥のさえずりで気がつくと、



 そこは紛れもなくあの高台で、



 裸足のまま駆けてきた私の足は汚れ、冷え切っていた。



 私は冷えた足など気にも留めず、



 確かな足取りで煉獄家へと歩き始めた。
 
 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (2023年5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (2023年5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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