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211.妬心 ページ11

「明日は休みか?」



「はい。」



「そうか。君は今も宿舎で?」



「はい。毎晩お世話になっております。」



 私たちは並んで星を見上げる。



「宿舎というのは…

 その…柳田さんもいるのか?」



「吉次さんですか?いませんよ。

 宿舎は皆さん女性ですし、一人一部屋あります。」


 私がそう言うと、杏寿郎さんは眉を開いて

「…良かった。」

 と、呟いた。



「何か?」



「いや!なんでもない!


 ただ…」



「…なんでしょうか?」



「下の名前で呼ぶような仲になったのだなあと。」



 私が杏寿郎さんの顔を覗き込むと、

 彼は珍しく口を尖らせている。



「ふふっ。杏寿郎さん、妬いているのですか?」



 そう私が問うと、彼は背を向けて

「妬いてなどいない!」

 と、いつもの調子で言う。



「本当ですか?」



 私はもう一度杏寿郎さんの顔を見ようと、


 彼の正面へと移動して、頬を両手で包み、

 
 顔をこちらに向けさせると、
 

 不意にグッと腰を引き寄せられてしまった。



「…妬いているさ。

 
 君と離れている間も、


 君が他の男と一緒にいる姿を考えては


 胸が張り裂けそうだった。」



 あまりにも大人の男性の顔をするので

 
 私は手を下ろしてたじろぐが、

 
 杏寿郎さんは腰を離してくれない。



 おもむろに杏寿郎さんが私の左耳に顔を近づけ


 耳を優しく甘噛みする。



「…あっ」




 杏寿郎さんは耳元で囁いた。
 


「今宵は君を帰したくない。


 同じ朝を共に迎えてはくれないだろうか。」






 身体が近すぎて、

 私の胸の鼓動が杏寿郎さんに伝わってしまいそうだ。





「…はい。」




 私が顔を赤らめながら頷くと、


 杏寿郎さんは私の手を引いて歩き出した。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (2023年5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (2023年5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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