君が思い出すまで4【煉獄杏寿郎】

158.簪 ページ8

　海を後にした私たちは


　様々な店が並ぶ繁華街を歩いていた。




「A、ちょっと。」

　急にお店の前で立ち止まり、

　私に手招きをする杏寿郎さん。


「何か欲しいものでも見つかりましたか？」


「ちょっと後ろを向いて。」

　私は言われるがまま、杏寿郎さんに背を向ける。


「…うむ。これだな！

　お姉さん、これひとつくださいな。」



　杏寿郎さんはそういうと、会計に行ってしまった。


　
「何を買われたのですか？」


　私が問うと、杏寿郎さんは小さな袋から


　簪(かんざし)を私に渡してくれた。



「…これを、私に？」



「君によく似合うと思った。

　これはささやかな贈り物だ。」




「いや、こんな上等な簪…

　私にはもったいないです。

　それに今日は杏寿郎さ」


　私が話し合える前に、杏寿郎さんは口にする。


「俺が君にあげたいんだ。さしてあげよう。」


　そう言うと、彼は私の髪に簪をさす。


　桜の花があしらわれた桃色の簪。



「君は優しいから、

　柔らかい色がよく似合う。とても綺麗だ。」



「…嬉しいです！一生大切にしますね！」


　杏寿郎さんは顔いっぱいに笑った。
　





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　読者の皆様へ お詫びと訂正

　ここまで読んでくだり、本当にありがとうございます。
　
　ここで、ひとつお詫びがございます。

　作者、今シリーズが処女作であり、右も左も分からずに制作していたため、現在は訂正いたしましたが、『君が思い出すまで4』の作成してすぐの頃に手違いで「オリジナルフラグ」が立ってしまっていました。

　優しい読者の皆様が教えてくださり、今は訂正してあります。もし、訂正前にお読みになり、気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。猛省しております。
　初心者ゆえ、間違いもあるかと思いますが、以後は手違いのないよう、十分に気をつけていきたいと思います。今後も更新を頑張りたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。

　狐姫

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