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167.あなたには敵わない ページ17

 花屋を出ると


 杏寿郎さんは私の隣を歩く。


「…子ができるっていうのは、

 奇跡のようなものなのですね…。」


 私が何気なくそう呟くと、杏寿郎さんは眉を上げる。


「子…?


 君は赤子が欲しいのか?


 …そうか!!子が欲しいのだな!!

 君は子どもが好きだしな!!」


 ん? あれ?


 なんか盛大に勘違いされている…!?



「いずれは…と、思うが、もう少し待って欲しい!

 まだ俺たちは恋仲という段階だしな!

 色々済まさなければならないこともあるだろう!


 父上にも…」


「きょ、杏寿郎さん!!!」


「なんだ!!」


 勝手に話が進んでいる…!


「…違うのです!」


「違う…?」

 
 驚いた顔をしたかと思えば、少し寂しそうな顔をする。


「えっと…違くないけど、違うというか…!


 その…子ができるのはとても神秘的なことなのだと


 改めて思っていただけで…!!そういう意味では…!」


 私がそう言うと、目を一回り大きく見開き、

 
 珍しく、杏寿郎さんは顔を真っ赤にする。


「…すまないっ!とんだ勘違いをしてしまった!!


 先程の話は忘れてくれ!!!」


 慌てている杏寿郎さんが可愛らしくて

 
 ちょっと意地悪をしたくなってしまう。


 私は杏寿郎さんに耳を貸して欲しいと言うと、


 内緒話をするように口元に手を添えて囁く。



「…忘れません。」




 杏寿郎さんはその瞳に私を映すと、



 目を細めて私の顎を上げる。




「それは…





 "子作りして欲しい"




 ということか?」



 
 
 まさかの言葉に私は面を食らってしまった。








 本当、あなたには敵わない。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 衣世さん» 苦しいですね…。書いていても辛いです泣 叫んじゃってください〜!! (2021年11月3日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 更新ありがとうございます!杏寿郎ーー!!切ない、苦しいですね(ToT)うあぁぁぁ(TдT)叫ばずにはいられません泣 (2021年11月3日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - akiomiさん» はじめまして。コメント嬉しいです!ありがとうございます。溶けてしまいたいですね…笑 応援ありがとうございます!引き続きお楽しみくださいませ! (2021年11月3日 12時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
akiomi(プロフ) - 初めまして。切なくてどうしようもない気持ちになり、コメントしてしまいました!雪になって、私も溶けてしまいたい笑 続きも楽しみにしております。これからも応援しています! (2021年11月3日 11時) (レス) @page45 id: 15912deccb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - ろろろーさん» はじめまして。コメントありがとうございます!胸を締め付けるようなお話ばかりで申し訳ないです。嬉しいお言葉、ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2021年11月3日 10時) (レス) @page45 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月23日 12時

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