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9.アヤメのハンカチ ページ9

「私…煉獄先生にたくさん救われているんですよ。

 ありがとうございます…」


 煉獄先生はスッとハンカチを差し伸べてくれた。

 ハンカチにはアヤメの綺麗な刺繍が施されていた。

 年季が入っているようだが、

 とても丁寧に大事に使われているのであろう、


 清潔感があった。


「このハンカチ…アヤメの刺繍ですね。とても綺麗。」


 そう言うと、彼は優しく、そしてどこか寂しげに笑った。


「昔、大切な人に貰ったものでな。

 アヤメは俺の誕生花らしく、刺繍を入れてくれた。」


 そうなのか…。

 大切な人って誰だろうか。

 ハンカチを愛おしく見つめる姿に胸がチクリと痛くなった。


「…燃える思い」

「燃える思い…?」

「アヤメの花言葉です。煉獄先生にぴったりですね!」


 煉獄先生は目を丸くして驚いていた。


「…あ!でも煉獄先生自身にもぴったりですが、

 贈られた方からのメッセージでもあるのかもしれませんね!

 とても素敵です。」

 そう私が言うと、

 ビー玉のような綺麗な瞳から一筋の涙がこぼれ落ちた。


「…あ、ごめんなさい。

 良かれと思った言葉で

 先生を傷つけてしまったかもしれません。ごめんなさ…」


「いや、違うんだ。嬉しくて…嬉しくてつい…。


 ありがとう。A…。」


 突然名前を呼び捨てにされ、


  驚いたのと同時に、


 胸の奥がぎゅっと苦しくなったのを感じた。

10.苦味と甘味→←8.ちゃんと見ている



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - nさん» お楽しみいただけて嬉しいです!こちらこそ、読んでくださり、ありがとうございます。 (2021年10月19日 9時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
n - 凄く読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。 (2021年10月18日 22時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 全ての作品は読めていませんが、個人的に継子の実弥さんの切なくて好きです!新作も気になるので、読ませていただきますね! (2021年10月15日 21時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 狐姫さん» あのう、大変恐縮ですが、どの実弥さんがよかったですか? (2021年10月15日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 読ませいただきました!とても素敵です!!不死川さん良いですね!! (2021年10月15日 20時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月13日 15時

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