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35.強さ ページ35

「俺の大切な人に何をしている?」


 その声は知っている人の声だけれど、

 いつもよりいっとう低く、怒りに満ち溢れた声だった。


「…誰だ?お前は?」

「お前のような奴に名乗るような名はない。

 彼女からその汚い手を離してくれないか?」


「何だと?邪魔をするんじゃねええええ!

 この女が生意気だからよ、可愛がってあげていたんだよ!

 言うこと聞いてりゃいいんだよ、力のない女はよ!」



「何を言っているのか分からないな。

 力は身体的なものだけで強さを測れるものではない。

 俺からすれば、彼女の方が弱き人を助けようとした

 立派な人に見えるがな。

 恵まれた力を悪に使うお前より遥かにな。」


 煉獄…さん。



「うるせえ!」


 男が煉獄さんに向かって拳を上げた瞬間、

 煉獄さんは目にも見えぬ速さで

 男のみぞおちに一撃を入れ、男は床でうずくまっていた。



「A、すまないな。怖い思いをさせてしまった。」



 煉獄さんと目があった瞬間、

 私は張り詰めていた糸が解けたのか、

 安心して涙が止まらなくなった。


「…ありがとう。助けに来てくださって…。」

「痛むところはないか?

 何も…されてはいないか?」


 自分が傷つけられたかのように悲しい顔をする。


「大丈夫です!私より、あの方を!」


 煉獄さんは乱れた服装の私に着物を羽織らせると、

 倒れていた女性のもとへと駆け寄り、

 素早く状況を確認して女性を背負う。


「うむ。呼吸と意識はある。A、君は立てるか?」


「大丈夫です。歩けます!」


「とりあえず、この女性を病院まで運び、一度家に戻ろう。

 申し訳ないが、買い物はまた後で!」


「はい。すみません。私がはぐれたばっかりに…。

 でも、この女性を、救えて良かったです。

 救ったのは煉獄さんですが…。」




「いや、君がいたからこの人を救えたのだ。

 君は強い人だな。ありがとう。

 じきに警官が来る。この男は彼らに任せよう。」



 

 ドアを蹴飛ばした時に痛めたのか、

 歩き始めると少し右足に痛みを感じた。

36.兄の忠告→←34.※屈辱



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - nさん» お楽しみいただけて嬉しいです!こちらこそ、読んでくださり、ありがとうございます。 (2021年10月19日 9時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
n - 凄く読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。 (2021年10月18日 22時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 全ての作品は読めていませんが、個人的に継子の実弥さんの切なくて好きです!新作も気になるので、読ませていただきますね! (2021年10月15日 21時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 狐姫さん» あのう、大変恐縮ですが、どの実弥さんがよかったですか? (2021年10月15日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 読ませいただきました!とても素敵です!!不死川さん良いですね!! (2021年10月15日 20時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月13日 15時

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