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27.波紋 ページ27

 借りた浴衣を手に持ち、

 お風呂場へと向かう。

 ゆっくりと湯船に浸かると、

 じんわりと身体が温まっていく。



 ふ〜っと息を吐き、目を閉じると、


 湯船にぽちゃんと天井からの雫が落ちてきた。



 落ちた雫は波紋となり、湯船に広がっていく。



 違う世界から来た私もこの雫のようなものなのだろうか。


 元々ある世界に波を与えてしまうのだろうか。



 それが悪い影響だったら…?


 考えても仕方がない!やめよう!

 違うことを考えよう!!





 煉獄さんの生家はとても広くて


 場所を覚えるのにも時間がかかりそう。


 そして家柄が良いことが、

 煉獄さんの立ち振る舞いや言葉遣い、

 お家の細部から伝わってくる…。


 私は平民だからなあ…粗相のないように努めなければ。




「A?」


「…は、はい!?」


 いろいろと考えを巡らせているときに、

 煉獄さんの声がした。


「湯浴み中にすまない!

 体を拭くものを渡すのを忘れてしまってな!

 置いておくから使うといい!」



「…ありがとうございます!」



 び、びっくりした…。


 心臓が止まるところだった…。



「あ!それと!湯浴みが終わったら俺の部屋に来てくれ!

 薬を塗ってあげよう!」



「分かりました!」


 そうか…


 そういえば薬を煉獄さんに塗ってもらうんだった。


 …って、ええ!?


 用事があるとしても、夜に男性の部屋に行くのは…


 ちょっと緊張する…。


 やましいことじゃないと分かっていても…ね!!



 薬を塗ってもらうだけ、薬を塗ってもらうだけ…


 と何度も頭に叩き込んで邪念を払おう。





 湯浴みを終えた私は今、


 煉獄さんの部屋の襖の前に座っている。



 緊張するなあ…。



「煉獄さん、Aです。入ってもよろしいですか?」


「うむ。入っておいで。」


「し、失礼します。」


 い、いざ!!!

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - nさん» お楽しみいただけて嬉しいです!こちらこそ、読んでくださり、ありがとうございます。 (2021年10月19日 9時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
n - 凄く読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。 (2021年10月18日 22時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 全ての作品は読めていませんが、個人的に継子の実弥さんの切なくて好きです!新作も気になるので、読ませていただきますね! (2021年10月15日 21時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 狐姫さん» あのう、大変恐縮ですが、どの実弥さんがよかったですか? (2021年10月15日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 読ませいただきました!とても素敵です!!不死川さん良いですね!! (2021年10月15日 20時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月13日 15時

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