しょっぱい、あまい。 ( 赤 )

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す「失礼しまーす」







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手を引かれたまま、ついた保健室。


すばる が勢い良く 保健室 のドアを開けた。







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す「あれ、先生おらんの？」


「バカ、廊下見なよ、外出になってる」









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そしたら、

まあ、見事に先生がいなくて。








とりあえず、中に入って２人とも椅子に座る。







その瞬間、

自然と離れた手。








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椅子に座って

落ち着いてみてわかったこと。






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「すばる、！」


す「ん？」


「めっちゃ、血出てるじゃん…」


す「ああ、大したことあれへんて」


「嘘つけ、……私のせいでごめん」









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よく見なくてもわかる。

私は膝だけだけど、

すばるは、膝も肘も顔も、血だらけで。









私、なんで気づかなかったんだろ。









こんな状態でも、

私の心配をしてくれた すばる を見ると

いくら私でも、泣けてくる。









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す「あほ、謝んな。それに、おまえのせいちゃうし」


「だって…」


す「俺がしたくてしたんやから、泣くなや」


「…泣いてないし！」


す「嘘つけ〜、目うるうるしてんで？」








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そう言って、笑う すばる 。

まあ、泣きそうになったのは事実ですけど。

指摘されると、

まあ、恥ずかしいもんで。








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軽く言い合いをしてたのに、

何かを思い出したかのように

椅子に座ってた すばる が急に立ち上がって。







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す「大人しく座っとけよ」








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棚に置いてあった

救急箱を持って戻って来た。









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す「しゃーないから、俺が、やったる」









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この時、

とんでもなく

すばる がイケメンに見えたのは言うまでもない。









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「いっった！！」


す「大人しくせえ！」


「じゃあ、もっと優しくしてよ、バカ！」


す「バ、バカ！？おまえ、しばくぞ、コラ」


「やれるもんなら、やってみろ」


す「あ、あかん、先に手当てや！」









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まあ、結局こうなりますよね。






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だけど、

痛かったのは消毒だけで

ガーゼ当てる時とか

私の顔色伺いながら、

めっちゃ慎重に優しく手当てしてくれたことは、忘れないでおく。









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