6 ページ7
*
『坊は、本を読むのは嫌いか？』
あれから毎日本を読む宿儺を見かけているはずなのに
部屋に佇む本の山は、一向に減る気配がない。
教養とは知識だけではない、
という私の勝手な理念から
宿儺には文字を始めとして
芸事、武道など様々なことを自ら教鞭にたち
触れさせるようにしていた。
元から賢く好奇心の強い子であった為、
文字についても理解が早く
芸事や武道も同様、吸収率が大変よかった。
しかし、未だに本を読む速度だけは大変鈍い。
宿「…いや、嫌いではない。だがどうもつまらん」
紙をめくる手を止め、宿儺は小さくつぶやいた。
『つまらぬか…内容に興味が湧かんのか』
私は自身の顎を指でなぞりながら
首を傾げた。
『言われてみれば、お前にやった本はどれも自伝ばかりだったか…なるほど、ならば次は歴史書など他のものも用意しておこう』
宿「歴史か…それなら面白そうだ」
『人の歴史もあれば、我々神について妄想で書き上げられた歴史書もある。なかなか冗談のような話ばかりで、それはそれで面白いぞ』
内容が変われば、こちらの能力も花開くだろう。
善は急げというからな、とだけ告げて
私は早速その本を探しに本殿へと足を運んだ。
＊
やはり私の見立てに間違いはなかった。
歴史や地理について関心を持った宿儺は
新しく準備した本の山を
みるみるうちに捌いていく。
特に地理については、
私に質問すら投げてくるほどであった。
神はこの地が生まれた時から存在している。
全てをその目で見てきている故、
文献にも載っていないような知識まで持つ。
それを理解してのことだろうから
私が思っているよりもこいつは賢いなと舌を巻いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイコ(プロフ) - 薊さん» ありがとうございます、村人については激しく同意です(小並感) (2021年1月12日 17時) (
レス) id: 311881f587 (このIDを非表示/違反報告)
アイコ(プロフ) - 白狐さん» ありがとうございます！頑張ります(°▽°) (2021年1月12日 17時) (レス) id: 311881f587 (このIDを非表示/違反報告)
薊 - すごいですね…(語彙力低下)これからも頑張って下さい！後、村人は許すまじ。 (2021年1月12日 12時) (レス) id: 0f20c8237d (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年1月11日 21時) (レス) id: f345edd9e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アイコ | 作成日時：2021年1月7日 16時
