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坊を、自身が祀られている神社に招き入れると
その手をそっと離して
縁側に腰掛けた。
坊も座るだろうと思い前を向くが
しかし彼は
突然離された手を眺めながら
その場で立ち尽くしていた。
『こちらへおいで。
案ずるな、取って食ったりせぬゆえ』
オドオドと境内を見渡すなんとも愛らしい姿に
私は喉を鳴らしながら笑った。
人と関わるとは思っていなかったせいか
たったこれだけのことで
なんとも愉快な気持ちになる。
私はソロソロと近づいてきた坊に手を伸ばすと
その体をふわりと抱き上げ
自身の膝の上に乗せた。
『さて、坊。ようこそ、我が家へ。』
未だに緊張しているのか
挨拶をするだけでその四肢は硬直している。
それを解くように
ゆっくりと髪を撫でつけてやると
私はそのまま言葉を続けた。
『お前、見たところこの村の豪族の倅であろう。
昨年村で行っておった祀りで、現大王と一緒におったのを覚えておるぞ。
年は5〜6ごろだろうから…6番目の坊ぐらいかのう』
少し固めのその髪を撫でられながら
くすぐったそうにしていた坊は
その推測を聞くと、驚いたように目を見開いた。
坊「すごい、よくわかったな」
『当たり前だ。私はお前が生まれる何万年も前から
この村にいる神様だからね。』
目を丸々とするその姿に
私はふふんと鼻を鳴らした。
すごい、すごいとはしゃぐその姿が
なんとも珍しく珍妙で
私も一緒になって笑っていた。
しかしそこで、
そういえば、とあることが気になり
私は撫でる手を止めた。
『そういえば、名前を聞いておらんかったな』
ずっと【坊】と呼んでいた為
すっかり忘れていた。
ここではきちんと元ある名を聞いておかねばならない
縛りがあるというのに
私としたことが、人を入れるなど初めてで
うっかりしていた。
なんと言うのだ？
それに対して
彼はなんの疑いもなく
坊「
親から授かったのであろうその名を
嬉しそうに告げた。
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アイコ(プロフ) - 薊さん» ありがとうございます、村人については激しく同意です(小並感) (2021年1月12日 17時) (
レス) id: 311881f587 (このIDを非表示/違反報告)
アイコ(プロフ) - 白狐さん» ありがとうございます！頑張ります(°▽°) (2021年1月12日 17時) (レス) id: 311881f587 (このIDを非表示/違反報告)
薊 - すごいですね…(語彙力低下)これからも頑張って下さい！後、村人は許すまじ。 (2021年1月12日 12時) (レス) id: 0f20c8237d (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年1月11日 21時) (レス) id: f345edd9e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイコ | 作成日時：2021年1月7日 16時
