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鳴り響く痛みを無視してがむしゃらに体を動かす。休憩に入っても一人隅で音に乗った。休んだら二度と動けなくなりそうで、そうしたらみんなの足を引っ張ってしまうから。
「阿部ちゃん、ストップ」
突然大きい手で目を覆われる。呼吸のたびに跳ねる肩にも熱い手が置かれた。手の主はそのまま優しい声を重ねる。
「自覚ないかもだけど、阿部ちゃん今やばいよ。調子悪いなら無理しない方が良い」
調子が悪いなんて自分が一番よく分かってる。だからこそ負けないように頑張ったのに。反論しようと口を開いた瞬間吐き気に襲われる。頭は絶えず殴られているように痛みの波が押し寄せてきて、指一本でも動かしたら死ぬんじゃないか、そんな緊張に襲われた。
「とりあえず座ろ。俺が支えてるから大丈夫」
めめの手と声に導かれるままその場にしゃがみ込む。呼吸する度に心臓が脈打ち、震える血管が脳を刺激する。どくん、どくんと耳元で鳴る音に合わせて頭が強く締め付けられる。
「袋あるから我慢しないで。我慢するともっと苦しくなっちゃうよ」
声が膜一枚隔てたように滲む。レッスン室内はバタバタと足音が鳴って、みんなの休憩時間を俺が奪っちゃったんだと自覚した。これ以上迷惑はかけられない。もう大丈夫って笑いたいのに、体が言うことを聞かない。今にも脳が破裂するんじゃないかっていうくらい痛みが酷くなって、我慢する間もなく嘔吐した。液体がビニールに落ちる軽い音が鳴る。
「ダンスの先生には岩本くんが言いに行ってくれてるから、調子戻そうと焦らなくてもいいからね」
背中を撫でる手も絶えず言葉を紡ぐ声も優しいのに、その優しさを受け入れるだけの余裕がない。痛い。苦しい。口を濯ぐのを待っていたかのように意識が暗転した。
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素の8LOOMY - とてもおもしろかったです。自分の好きなおはなしでした。 (2023年4月11日 6時) (
レス) @page5 id: 14906cc816 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん - 最高なお話でした！続きがとても楽しみです！作者さんのペースでいいので、また続きが見れたらいいなと思います😊 (2023年3月30日 10時) (レス) @page8 id: 56981ce0bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結錵 | 作成日時：2023年3月1日 19時
