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そんなことをしてるうちにマネージャーが来て、阿部ちゃんはそのまま帰ることになった。後のことはマネージャーに任せて自分の楽屋に戻ってきてしまったけど、収録中も頭の片隅には目を閉じる阿部ちゃんの姿がずっと残っていた。もう家に着いたかな。今日の仕事が全部終わったら、食べるものでも買って家まで行ってみようかな。
「ねえ、今日俺の家じゃなくてさ、阿部ちゃんの家に行ってもらえない？」
迎えの車に乗り込み、ハンドルを握るマネージャーに告げる。途中でコンビニに寄って、予定通り阿部ちゃんの家へ向かってもらう。インターホンを押してしばらく待てば、部屋着に身を包んだ家主が顔を覗かせた。
「…ふっか？」
「やほー阿部ちゃん、朝ぶり」
「え？ ああ、うん、朝ぶり」
コンビニの袋を持った片手を軽く上げれば、付き合いの長い阿部ちゃんは何も言わなくても部屋に上げてくれる。そんなに重くないから、と袋を預けて俺は洗面台を借りて手洗いうがい。お互いに、何も移さないように。リビングに入ると阿部ちゃんが飲み物の用意をしてくれているところだった。
「朝よりは元気そうだね」
「うん、ふっかのおかげだよ。ありがとう」
「んー？ 俺はなんにもしてないよ。全部マネージャーに任せちゃったし」
「そんなことない。ふっかがいてくれて良かった」
「そう？ まあ、阿部ちゃんがそこまで言うなら、そーゆーことにしとこうかな」
「あ、ちょっと照れてる。今お湯沸かしてるところだけど、飲み物、何が良い？」
「なんでも良いよ、今あるやつで」
マグカップなんかの準備をする阿部ちゃんはどこか楽しそうで、でも本当は仕事を休んだ罪悪感があるのは長年の付き合いで分かってる。
「このティーバッグね、差し入れで貰ったことあって、美味しかったから自分でも買ってみたんだ」
「確かに良い香りするね。リラックスできそう」
眠れないのなら眠くなるまで話をしよう。食欲がないなら一緒に美味しいものを食べよう。それが友達ってやつの特権でしょ？
続く
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素の8LOOMY - とてもおもしろかったです。自分の好きなおはなしでした。 (2023年4月11日 6時) (
レス) @page5 id: 14906cc816 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん - 最高なお話でした！続きがとても楽しみです！作者さんのペースでいいので、また続きが見れたらいいなと思います😊 (2023年3月30日 10時) (レス) @page8 id: 56981ce0bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結錵 | 作成日時：2023年3月1日 19時
